オッペンハイマー

原爆開発編は面白いけど、その後はもう少しコンパクトにならんかったのか感。

去年の夏のバービーコラボの炎上で知ったレベルだったけど、評判もいいし監督はノーランなので観てみるかという感じ。正直3時間の映画とか観たくないけど頑張って観た。

時系列がわかりにくいとか、体調悪い時に見るなと言われていたんで覚悟して観たけど、TENETよりわかりやすいし、ダークナイトより気分悪くならない。比較対象が酷すぎるのはさておき。

時系列については原爆開発編はわかりやすいとして、残りの2つがわかりにくい。戦争後に聴聞会の陰謀で追いつめられる話と、その後の公聴会で真実が明らかになる話。仮に陰謀編と真実編と呼ぶ。

ややこしいのは当然陰謀編より真実編のほうが時系列的に後なのに、真実編だけが白黒なこと。普通は白黒の方が古いと思うわな。

全体構成は最初から2/3くらいは原爆開発編中心に3つが交錯し、残り1/3は陰謀編と真実編でまとめる構成。この時系列並列の理由は単純に原爆開発編に比べて陰謀編と真実編が映画的に盛り上がりに欠けるからだと思う。この3つを素直に時系列的に順番にやったら、後半の陰謀編と真実編でダレダレになるよね。

そこを時系列を混在させることで原爆開発編を後ろまで持ってきたけど、それでも残り1/3は結構ダレていたのは正直否めない。だからといって単に原爆成功おめでとうという話にもできないのが難しいところ。

話としてはオッペンハイマーが罪悪感から聴聞会で戦わずに罪を被るところがポイントだけれど、積極的に何かをするわけではないのでその罪悪感があまり伝わらなかった。陰謀編は必要として、真実編の公聴会はもっとバッサリ削ってしまっても良かったのではないか。

とはいえ原爆開発の話はさすがノーランという感じで映像的にも面白かった。セリフは映画的過ぎるのもあり、映画の元になったノンフィクションは読んでみたくなった。原爆への科学者内での反対意見は実際どこまであったのかは気になる。あと空気の誘爆の話は本当にあったのかな。