ローマ法王になる日まで

http://roma-houou.jp宗教乙と言わずに見て損はない作品。現ローマ法王の伝記ということで、心温まる感動作感しかないでしょう。ところが実は心温まるところか心が折れる作品です。しかしだからこそ面白く、21世紀における宗教というものが社会においてどう…

特別展「茶の湯」

茶道具って正直苦手なんですよね。ただなぜ苦手なのかよくわからなかったのですが、その理由が本展覧会でやっとわかりました。理由は「茶道具の歴史的な流れを理解していなかったから」です。美術とはコンテキストであるという事実が、この歴史に凝縮されて…

イケメン屏風の衝撃

渋谷区立松濤美術館の「今様」という展覧会を見てきた。正直ピンとくるものはあまりなかったのだが、木村了子のイケメン屏風"楽園"が衝撃だったのでそれについて書く以下に絵の全貌があるのでそれをまずは見て頂きたい。いやイケメンである。そしてそれが日…

パロディ、二重の声

「アートって楽しい」的なゆるふわ展覧会かと思っていたが、1960-70年代の現代美術からポップカルチャーへの流れをパロディという側面から辿った真面目な展覧会だった。パロディ的なものは江戸時代の漫画的なものでもいくらでもあるわけで、これがパロディの…

ゴースト・イン・ザ・シェル

それほど面白くはないけど、ハリウッド映画としてはこの辺が限界かなという感じがします。攻殻って漫画、映画、アニメ版いずれもストーリーはハリウッド映画としては難しいと思うんですよ。まず設定が説明不足で、そもそもの漫画が欄外の設定前提だし。あと…

格安携帯に変えたい友人へのまとめ

格安携帯に乗り換えたいがどうすればいいかと友人に聞かれたので、まとめていたらかなり長くなり、友人以外にも役に立つ人もいるかもと思ったので公開します。2017/4月現在の状況です。 IIJmioについて 自分の使っている通信会社(MVNO)はIIJmioです。最安で…

ミュシャ展とスラブ叙事詩の重さ

ミュシャのイメージを裏切る"重い"展覧会。だからこそ面白かった。2つの意味で重いです。まず絵が物理的に重い。そして歴史的文脈が重い。正直この展覧会知ってはいたけど行く気はなかったんですよ。ミュシャは東京都美術館で以前大規模な展覧会あったしもう…

ひるね姫

ひるね姫観てきた。攻殻SACの神山監督の新作です。 やりたいことはよくわかるけど、個人的には微妙な感じ http://wwws.warnerbros.co.jp/hirunehime/神山監督はだいたい10年以内の近未来のSF的設定がうまくて、その良さを生かしつつ、自分の娘が観ても楽しめ…

草間彌生 わが永遠の魂

草間彌生の回顧展は何度も観てますが、大変いい展覧会でした。 草間彌生展「わが永遠の魂」国立新美術館まず最初に「草間彌生からみなさまへ」っていう作家のメッセージがあるんですが、これがすばらしい。いや作品観る前からすばらしいも何もないんでけど、…

ゲームアーカイブスはなくなるの?

PS4はいいゲーム機だと思う。ただ一点どうしても気になることがある。ゲームアーカイブスがなくなったことだ。今後実装されるという話も全く聞かない。ゲームアーカイブスはPS3だけではなく、PSP、Vitaにも実装されたくらいなので技術的に問題があるとは思え…

大塚国際美術館

もう一カ月前になりますが、鳴門にある大塚国際美術館に行ってきました。 http://o-museum.or.jp/ここの特徴ですが、身も蓋もない言い方をすれば複製品の美術館です。本物はありません。もちろん公認の複製です。陶板であることは特徴ですが、観る側からすれ…

人喰いの大鷲トリコ

トリコ解いた。いいゲームだと思うけど、楽しかったかと言われると微妙な感じがする。ゲームに求めるものがエンターテイメントなのかどうかによって評価は変わると思う。なお自分はICOは解いた。ワンダは2体目で挫折した。アクション苦手で死にまくるのに、…

ドメイン駆動設計とドキュメント

今更ながらドメイン駆動設計の本を読んだ。読みやすくはないが、確かにいい本だと思う。エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)作者: エリック・エヴァンス,今関剛,和智右桂,牧野祐子出版社/メーカー: 翔泳…

Nintendo Switchの体験は"リアルに集まってFPS"

Nintendo Switchの発表会が1/13に行われますが、その前にちょっと予測をしようかと思います。まあ新年なのでこういうのもありでしょう。Switchですが、発表時の自分の感想は"何ができるかは明確だけど、新しい体験として何を提供するつもりなのかよくわから…

ポピュリズムという言葉がポピュリズムを招く

政治的には2016年は"ポピュリズムの年"だったと言うことに異論はないのではないだろうか。自分は日経新聞を読んでいるのだが、毎日のようにこの言葉が溢れている。日経は今年FTを買収したので、FTのコラムも載るようになったが、毎回その話ばかりだ。自分は…

2016年良かったもの: 美術 書籍 マンガ

2016年良かったもの美術、書籍、マンガ編です。 映画、ゲーム編はこちら 2016年良かったもの: 映画 ゲーム - yamak's diary 美術 今年は結構観た気がします。記録してる分だと33本観てますね。 まあ単に暇なときに一番行きやすいのが美術展という理由もあり…

2016年良かったもの: 映画 ゲーム

だれも興味がないけどまとめたくなる今年良かったものです。 私自身が今年観たり遊んだりしたものであって、今年出たものではありません。こっちは映画 ゲーム編です。 美術、書籍、マンガ編はこちら 2016年良かったもの: 美術 書籍 マンガ - yamak's diary …

イタリア旅行記3 : ティヴォリ

イタリア旅行記最後になります。最後はティヴォリです。過去の旅行記はこちら イタリア旅行記1:ローマ - yamak's diary イタリア旅行記2 : ポンペイ遺跡 - yamak's diaryティヴォリってどこよと思われると思いますが、自分も旅行の計画立てるまで全く知らな…

イタリア旅行記2 : ポンペイ遺跡

間が空きましたがイタリア旅行記の続きです。去年も年末に書いてた気がします。旅行記って文章書くのは楽なんだけど、写真まとめるのがめんどくさい…特にはてなブログは写真の扱いがめんどくさい。ブログに表示するのは小さいサイズで、クリックしたら大きい…

くるみ割り人形

クリスマスなので小林紀子バレエシアターの"くるみ割り人形"を観た。なおいつも通りおっさん一人による鑑賞である。 http://www.nkbt-tokyo.com/perform.html昔バレエをよく観ていたころは、12月はくるみ割りばっかりでうんざりしていたけど、いまあまり観な…

ゴッホとゴーギャン展

自分は美術展では単独の作家の回顧展が一番好きだ。それはたぶん作品を通してその作家の人生を考えることができるからだと思う。2時間程度の短時間において、作家の生涯の作品を知ることができる芸術は美術くらいしかない。小説や映画は時間がかかりすぎる。…

Appleは"無料体験付き有料アプリ"というカテゴリを作るべき

Super Mario Runを App Store で スーパーマリオランの課金モデル聞いた時にそうなるよなと思ったわけですよ。ちなみに自分はちょっとやったけど、普通にランゲームだなと思いました(小並感)問題を整理すると以下です 1-3までは無料で、それ以降は1200円かか…

カリギュラ

Vitaのゲームのカリギュラ解きました。 ゲームとしては良くない点もありますが、挑戦的で自分は好きです。 http://www.cs.furyu.jp/caligula/ 世界観 世界設定が独特なので整理します。 多くの人がボーカロイドμの楽曲のファン μが仮想人格を持ってしまう フ…

イタリア旅行記1:ローマ

ローマに行ってきました。今回これまでの旅行と個人的に大きく違う部分があって、それは行く前に歴史を勉強したこと。まず「ローマ人の物語」を全巻読んで、そのあとローマに行こうと決めたことですね。写真も多いのですが、多すぎるので全部の名所の紹介を…

杉本博司 ロスト・ヒューマン

絶望に満ちた展覧会だった。東京都写真美術館のリニューアル後初展覧会、しかも作家は杉本博司ということでチケット売り場はかなり混んでいたが、中はそれほどでもなかった。面白いのがメインの広告ビジュアルが劇場シリーズ新作なので、ああ過去のシリーズ…

シン・ゴジラ

この作品は「ポスト福一」ではない。今「ゴジラ」をやるということ。その題材が与えられた時点で、監督がたとえ庵野監督でなくても、福島第一原子力発電所の事故という問題を避けて通ることはできないだろう。たとえばゴジラでなくてガメラだったらそこまで…

鴻池朋子展「根源的暴力Vol.2 あたらしいほね」

鴻池朋子展のために高崎まで行ってきた。Vol.1は神奈川県民ホールギャラリーでやったそうなんですが知らなかった…行きたかった。美術展というのは作品を観るところだが、個別の作品の体験とは別に、美術展全体を通しての体験というのがあると思う。もちろん…

しりあがり寿の現代美術 回・転・展

「現代美術って何?」に対するわかりやすい回答だと思う。本展はまず「やかんは止まっていればただのやかんだが、回ると芸術になる」と説明される。そしてひたすらいろんなもの、それは既存の商品や創作物や思い出の品がとにかく回っている。よく考えるとこれ…

FAKE

非常に面白かった。森達也入門に最適だと思う。森達也のやっていることはメタドキュメンタリーだと思う。本人的にはこれこそがドキュメンタリーなんだろうが、一般のドキュメンタリーの認識からすればメタドキュメンタリーだ。つまり、ドキュメンタリーが一…

ちはやふる 上の句/下の句

ちはやふるの上の句/下の句を観てきた。予想を超える感動というわけではないけど、丁寧に作られたいい作品だった。上の句も下の句もそうだけど、ストーリーの流れだけを見ると目新しい部分は全くない。上の句は「スウィングガールズ」のような文系スポコンも…

ライアン・マッギンレー BODY LOUD!

「アート無罪」という言葉がある。現代美術を揶揄した言葉だが、「社会的に非難されることをアートと言って開き直る」ことに対して非難する際に使用する言葉である。まあ現代美術的にはダダイズムとかで100年くらい前からある議論である。ライアン・マッギン…

いけにえと雪のセツナ

セツナ解きました。細かい不満はないわけではないけど、いいゲームでした。人はかなり選ぶと思いますが。懐かしさの皮を被った、実に現代らしいゲームですね。宣伝にもあるようにクロノトリガーから受け継いだ部分も多いけど、比べるのはちょっと違うよなと…

"UX"という言葉は傲慢である

UXという言葉がここ5年ほどデザイン界隈でよくみられるようになりました。自分自身はエンジニアなのでデザイナーではないのですが、この言葉にどうも違和感を感じます。"UI"はいいんです。"UX"が問題です。そのあたりをちょっとまとめてみます。 UXは顧客価…

黒田清輝─日本近代絵画の巨匠

日本洋画史における最重要人物でありながら、よく考えたら単独の回顧展を見るのは初めてな気がする。フランスで学んだのは知っていたけど、実はフランス留学の最初の目的は法律の勉強で、絵画に目覚めたのは留学中というのは驚き。当時の海外留学というもの…

MOTアニュアル2016 キセイノセイキ

MOTアニュアルというと全体的に内省的でおとなしいイメージの作品が多いのだが、今回は休館前の最後の展示だからか、かなりアグレッシブだった。橋本聡はオノヨーコ的な観客命令型の作品だが、美術館における禁止事項自体を作品とするため、指示のかたわらで…

リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史 展

気仙沼の被災写真から東日本大震災を考える展覧会。ここに美術館という組織のありようという話が入ってくる。二重の意味で考えさせられる展覧会である。もともとが地域の美術館と博物館を兼ねた感じのリアス・アーク美術館。その職員が震災後、そもそも上部…

村上隆のスーパーフラット・コレクション

非常に面白かった。村上隆の作品の好き嫌いと関係なく観ていい展覧会だと思う。正直自分はコレクション展というものがあまり好きではない。全体として雑多な印象しか受けないことが多いからだと思う。この展覧会も雑多であることには変わりない。いやむしろ…

零の軌跡 / 碧の軌跡

ちまちまやっていた碧の軌跡 Evolitionをやっと解きました。自分はゲームの進行が遅いので、前編である零の軌跡から始めて計1年くらいやってたことになります。それなりに長い期間やってたのでなんとなく感想です。本作の面白いところは舞台がクロスベル市と…

ソシャゲ問題を解決する最も現実的な方法

ソーシャルゲーム。正確には主要なマネタイズ方法がガチャであるゲームは非常に多くの人に問題視されている。その理由として、課金リソースの入手方法がくじであることがあることにより、射幸心を煽る仕組みとなっている。そのため数十万という多くのお金を…

今年面白かったモバイルゲーム

毎年誰も読まないけど書いている今年面白かったものですが、今年は舞台もあまり見ておらず、振り返るというほどではありません。普段は全くここに書かないのですが、仕事上必要なのでモバイルゲームはいろいろやっておりまして、その中で自分が面白かったも…

インドネシア旅行記4: バリ島

だいぶ間が空きましたが、最後にバリ島についてです。最後まで書かないと気持ち悪かったので…バリ島について正直な感想としては以下です。 観光地化が完璧すぎて若干引く 一人でレンタカーなしで回るのは厳しい 地元の人が守るべき一線をきちんと引いている…

インドネシア旅行記3: ボロブドゥール遺跡

次はボロブドゥール遺跡です。ボロブドゥールもバスで行きましたが、今回最も心配していたのがこの旅程でした。まずトランスジョグジャ 2Bでジョンボール バスターミナルまで行きます。ジョンボール バスターミナルでは降りるとみんなが"ボロブドゥール"って…

インドネシア旅行記2: ブランバナン寺院群

ジョグジャカルタからのボロブドゥール遺跡、ブランバナン遺跡ですが、今回ツアーを使わずバスで行くことにしました。値段もありますが、経験上ツアーはゆっくり見られずに不満が残るので。行き方はネットの情報をいろいろ参考にさせていただきました。書い…

インドネシア旅行記1: ジョグジャカルタの街

インドネシアのジョグジャカルタとバリに行ってきました。もともと行きたかったのは世界最大の仏教遺跡であるボロブドゥール遺跡で、調べたらブランバナン遺跡もジョグジャカルタから近いということ。実はバリ島についてはそもそもインドネシアにあることす…

ディン・Q・レ展:明日への記憶

全く知らないアーティストだったが、非常に面白い展覧会だった。夏は終戦記念日関連ということで、美術館も戦争に関する企画がそれなりにある。もちろん太平洋戦争を振り返ることは意味があるのだが、現在でも続く一般論としての「戦争」を考えるうえで、太…

バケモノの子

いやすごい映画だと思う。あえて斜に構えた言い方をすると、何よりすごいところは、細田守に期待されるポストジブリとしての役割に完全に応えたうえで、独自の作家性もきちんと盛り込んでいる点だと思う。ポストジブリとは具体的に言うと以下のような点であ…

鴨居玲展

展覧会で一番おもしろいのはやはり回顧展だと思う。そこには生きるとは何か、価値とは何かということが凝縮されている。ましてや自殺した作家となっては。もちろん、そこには結果からのある種のフィルターがかかるのだが。多くの作家に共通するのだが、画風…

ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画

個人のコレクション展というのは、展覧会としては散漫な印象になることも多く、面白くない印象だったが、これはあまり有名でない作家の作品も多いのに、非常にいい展覧会だった室町水墨画というのがそもそも雪舟と禅画以外特集されることが少なく、その世界…

ニコニコ超会議2015

ニコニコ超会議に行って来た。自分は実はニコニコ文化圏には積極的な関心はなくて、ニコニコ動画もほとんどみない。たまにニュースサイトとかはてなブックマーク経由でみるくらいである。あとはアニメの第一話を見るとかその程度である。ニコニコ超会議に行…

石田尚志展 渦巻く光

最近Oculus Riftに代表されるVRが流行っている。VRによってアートはどう変わるのだろうか? もう少し具体的に言えば、VRが発達すれば美術館は不要なのではないだろうか? 画集やモニタではなく、美術館に行くべき理由が、作品の大きさであったり、立体感である…