シン・ゴジラ

この作品は「ポスト福一」ではない。今「ゴジラ」をやるということ。その題材が与えられた時点で、監督がたとえ庵野監督でなくても、福島第一原子力発電所の事故という問題を避けて通ることはできないだろう。たとえばゴジラでなくてガメラだったらそこまで…

鴻池朋子展「根源的暴力Vol.2 あたらしいほね」

鴻池朋子展のために高崎まで行ってきた。Vol.1は神奈川県民ホールギャラリーでやったそうなんですが知らなかった…行きたかった。美術展というのは作品を観るところだが、個別の作品の体験とは別に、美術展全体を通しての体験というのがあると思う。もちろん…

しりあがり寿の現代美術 回・転・展

「現代美術って何?」に対するわかりやすい回答だと思う。本展はまず「やかんは止まっていればただのやかんだが、回ると芸術になる」と説明される。そしてひたすらいろんなもの、それは既存の商品や創作物や思い出の品がとにかく回っている。よく考えるとこれ…

FAKE

非常に面白かった。森達也入門に最適だと思う。森達也のやっていることはメタドキュメンタリーだと思う。本人的にはこれこそがドキュメンタリーなんだろうが、一般のドキュメンタリーの認識からすればメタドキュメンタリーだ。つまり、ドキュメンタリーが一…

ちはやふる 上の句/下の句

ちはやふるの上の句/下の句を観てきた。予想を超える感動というわけではないけど、丁寧に作られたいい作品だった。上の句も下の句もそうだけど、ストーリーの流れだけを見ると目新しい部分は全くない。上の句は「スウィングガールズ」のような文系スポコンも…

ライアン・マッギンレー BODY LOUD!

「アート無罪」という言葉がある。現代美術を揶揄した言葉だが、「社会的に非難されることをアートと言って開き直る」ことに対して非難する際に使用する言葉である。まあ現代美術的にはダダイズムとかで100年くらい前からある議論である。ライアン・マッギン…

いけにえと雪のセツナ

セツナ解きました。細かい不満はないわけではないけど、いいゲームでした。人はかなり選ぶと思いますが。懐かしさの皮を被った、実に現代らしいゲームですね。宣伝にもあるようにクロノトリガーから受け継いだ部分も多いけど、比べるのはちょっと違うよなと…

"UX"という言葉は傲慢である

UXという言葉がここ5年ほどデザイン界隈でよくみられるようになりました。自分自身はエンジニアなのでデザイナーではないのですが、この言葉にどうも違和感を感じます。"UI"はいいんです。"UX"が問題です。そのあたりをちょっとまとめてみます。 UXは顧客価…

黒田清輝─日本近代絵画の巨匠

日本洋画史における最重要人物でありながら、よく考えたら単独の回顧展を見るのは初めてな気がする。フランスで学んだのは知っていたけど、実はフランス留学の最初の目的は法律の勉強で、絵画に目覚めたのは留学中というのは驚き。当時の海外留学というもの…

MOTアニュアル2016 キセイノセイキ

MOTアニュアルというと全体的に内省的でおとなしいイメージの作品が多いのだが、今回は休館前の最後の展示だからか、かなりアグレッシブだった。橋本聡はオノヨーコ的な観客命令型の作品だが、美術館における禁止事項自体を作品とするため、指示のかたわらで…

リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史 展

気仙沼の被災写真から東日本大震災を考える展覧会。ここに美術館という組織のありようという話が入ってくる。二重の意味で考えさせられる展覧会である。もともとが地域の美術館と博物館を兼ねた感じのリアス・アーク美術館。その職員が震災後、そもそも上部…

村上隆のスーパーフラット・コレクション

非常に面白かった。村上隆の作品の好き嫌いと関係なく観ていい展覧会だと思う。正直自分はコレクション展というものがあまり好きではない。全体として雑多な印象しか受けないことが多いからだと思う。この展覧会も雑多であることには変わりない。いやむしろ…

零の軌跡 / 碧の軌跡

ちまちまやっていた碧の軌跡 Evolitionをやっと解きました。自分はゲームの進行が遅いので、前編である零の軌跡から始めて計1年くらいやってたことになります。それなりに長い期間やってたのでなんとなく感想です。本作の面白いところは舞台がクロスベル市と…

ソシャゲ問題を解決する最も現実的な方法

ソーシャルゲーム。正確には主要なマネタイズ方法がガチャであるゲームは非常に多くの人に問題視されている。その理由として、課金リソースの入手方法がくじであることがあることにより、射幸心を煽る仕組みとなっている。そのため数十万という多くのお金を…

今年面白かったモバイルゲーム

毎年誰も読まないけど書いている今年面白かったものですが、今年は舞台もあまり見ておらず、振り返るというほどではありません。普段は全くここに書かないのですが、仕事上必要なのでモバイルゲームはいろいろやっておりまして、その中で自分が面白かったも…

インドネシア旅行記4: バリ島

だいぶ間が空きましたが、最後にバリ島についてです。最後まで書かないと気持ち悪かったので…バリ島について正直な感想としては以下です。 観光地化が完璧すぎて若干引く 一人でレンタカーなしで回るのは厳しい 地元の人が守るべき一線をきちんと引いている…

インドネシア旅行記3: ボロブドゥール遺跡

次はボロブドゥール遺跡です。ボロブドゥールもバスで行きましたが、今回最も心配していたのがこの旅程でした。まずトランスジョグジャ 2Bでジョンボール バスターミナルまで行きます。ジョンボール バスターミナルでは降りるとみんなが"ボロブドゥール"って…

インドネシア旅行記2: ブランバナン寺院群

ジョグジャカルタからのボロブドゥール遺跡、ブランバナン遺跡ですが、今回ツアーを使わずバスで行くことにしました。値段もありますが、経験上ツアーはゆっくり見られずに不満が残るので。行き方はネットの情報をいろいろ参考にさせていただきました。書い…

インドネシア旅行記1: ジョグジャカルタの街

インドネシアのジョグジャカルタとバリに行ってきました。もともと行きたかったのは世界最大の仏教遺跡であるボロブドゥール遺跡で、調べたらブランバナン遺跡もジョグジャカルタから近いということ。実はバリ島についてはそもそもインドネシアにあることす…

ディン・Q・レ展:明日への記憶

全く知らないアーティストだったが、非常に面白い展覧会だった。夏は終戦記念日関連ということで、美術館も戦争に関する企画がそれなりにある。もちろん太平洋戦争を振り返ることは意味があるのだが、現在でも続く一般論としての「戦争」を考えるうえで、太…

バケモノの子

いやすごい映画だと思う。あえて斜に構えた言い方をすると、何よりすごいところは、細田守に期待されるポストジブリとしての役割に完全に応えたうえで、独自の作家性もきちんと盛り込んでいる点だと思う。ポストジブリとは具体的に言うと以下のような点であ…

鴨居玲展

展覧会で一番おもしろいのはやはり回顧展だと思う。そこには生きるとは何か、価値とは何かということが凝縮されている。ましてや自殺した作家となっては。もちろん、そこには結果からのある種のフィルターがかかるのだが。多くの作家に共通するのだが、画風…

ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画

個人のコレクション展というのは、展覧会としては散漫な印象になることも多く、面白くない印象だったが、これはあまり有名でない作家の作品も多いのに、非常にいい展覧会だった室町水墨画というのがそもそも雪舟と禅画以外特集されることが少なく、その世界…

ニコニコ超会議2015

ニコニコ超会議に行って来た。自分は実はニコニコ文化圏には積極的な関心はなくて、ニコニコ動画もほとんどみない。たまにニュースサイトとかはてなブックマーク経由でみるくらいである。あとはアニメの第一話を見るとかその程度である。ニコニコ超会議に行…

石田尚志展 渦巻く光

最近Oculus Riftに代表されるVRが流行っている。VRによってアートはどう変わるのだろうか? もう少し具体的に言えば、VRが発達すれば美術館は不要なのではないだろうか? 画集やモニタではなく、美術館に行くべき理由が、作品の大きさであったり、立体感である…

ユリ熊嵐

ユリ熊嵐最終話まで見た。嫌いじゃないけど、正直ウテナやピンドラに比べて最後までピンと来なかった気がする。やってる事自体はウテナやピンドラと驚くほど何も変わらない。好きな相手のために何ができるか。それ自体が今回1クールと短いのもあって他作品よ…

ニブロール リアルリアリティ

人々の想像は 遥か彼方にある場所や 過去や未来にある時間を あたかも今ここにあるかのように具現化しようとする それでも人は遠くでおこっている悲劇を想像することすらできない そこにある身体を共有することができない http://www.nibroll.com/realrealit…

2014年良かったもの

もう2015年になってしまいましたが、自分的には恒例の2014年まとめです。 美術 展覧会は29本見てます。今年は現代ばかり観てました。 観ている割には正直面白かったイメージがあまりないです。 ここに挙げたのも年初だったのもあってあまり覚えてない。 赤瀬…

独身者が安心して生きるために

https://twitter.com/kirik/status/538941009494024192やまもといちろうさんの上記の発言が炎上してるみたいですが、20年後には国会で真面目に討論されていると思います。「子供を育てるというリスクを犯さなかった独身者に、福祉というリターンは必要ないの…

劇団四季 コンタクト

四季らしいダンスという意味では堪能できた。ミュージカルは劇場で観て面白かったことが正直あまりなく、四季も観ないのだが、コンタクトについてはダンスエンターテイメントということで以前から気になっており、今回の再演でやっと観た。3つの独立した話が…