2011年良かった物

今年は興味が分散した年だった。正直この分野に特別はまるという感じでもなかったので、各分野で良かった物を2つずつ挙げていきたいと思う。なお、あくまで自分が今年観たり読んだりした物で、発表年が今年でないものもあるのでその辺御注意を。

* 美術
名和晃平
イケムラレイコ展

名和晃平展は自分の中では待望の展覧会であり、作品がいいのはもちろんだが、作品を見るために自然に考えさせる仕掛けが良かった。イケムラレイコ展についてはなんか自分の波長と合うというか、あまりうまく言い表せないが、癒しではない緩やかな肯定感に安心した。


* バレエ
新国立バレエ団 アラジン
東京バレエ団 ザ・カブキ

今年を語るのに3月の震災は抜いて語れない。余震におびえ、3月4月は何かを楽しむという感じではなかった。震災以降で初めて心から楽しいと思えた作品が新国立バレエ団のアラジンだった。アラジンと魔法のランプってこんな話だったっけ?と思いながらも、心躍る音楽と、豪華で斬新な美術、そして美しいバレエに心から楽しいと思った。ザ・カブキは初見だったのだが、ツボを押さえまくった燃える展開と、日本人以上に完璧に仮名手本忠臣蔵をバレエで作ってしまったベジャールはすごいなと。


* コンテンポラリーダンス
ニブロール This is weather news
維新派 風景画

矢内原美邦さんは、すごく好きでもないのだが、とにかく何か気になって仕方がないという感じの存在、なぜかブログも読んだりしてる。This is weather newsは今まで観た物と根本的に変わるというわけでもないのだが、たぶん自分自身がニブロールを受け入れるようになったのかもしれない。維新派は初めて観たが、なんというかこれ以外ないという感じで、かなり昔からやってるはずなのに、今でも十分新鮮だった。


* 映画
電人ザボーガー
ソーシャルネットワーク
イグジット スルー ザ ギフトショップ

映画はこの3本はそれぞれ違って甲乙つけがたいので3つ。電人ザボーガーはとにかく理屈抜きで徹底的にエンターテイメントで良かった。まあ人を選ぶとは思うけど。ソーシャルネットワークは嘘か真実かという話はさておき、あのシリコンバレーの独特の緊張感にエンジニアとして憧れを感じる。イグジット スルー ザ ギフトショップ は現代美術とは何かをもの凄い斜め上から真摯に問いかける作品。


* アニメ
魔法少女 まどかマギカ
輪るピングドラム

テレビ放映ではこの2つしか観てないんですが、文句ないですよね。今年はひさしぶりに毎週録画を観るのが楽しみという経験をしました。もう来週からピンドラないと思うと残念です。


* マンガ
主に泣いてます
3月のライオン

主に泣いてますは笑える一方で、男は結局美人が好きという痛い事実に罪の意識を感じさせるところがいいです。もう終わると思ってたらまだ続くのか。ゆっこさんが実は結構好きです。3月のライオンは今さら感ですが、将棋バトルマンガとしても、家族の物語としてもどっちの視点でも完成度が半端ないところがすごいです。


* 書籍
今年の本
ストーリーとしての競争戦略
自分のアタマで考えよう

古い本
ネットワーク経済の法則
闘うプログラマ

感動したのは古い本の方ですが、さすがに古い本過ぎるので今年の本も入れました。
ネットワーク経済の法則 はうちの社長が勧めていたのですが、もうなんかIT業界って同じ事の繰り返して、そこからあまり学んでいないなと。あまりに分析的過ぎる気もしますが、基本的な視点として読み返す価値があるかと。闘うプログラマーも今では古典だけど、マイクロソフトも、日本の小さなソフト会社もソフトを開発するという意味で苦労と大切なことは同じだなと。

ストーリーとしての競争戦略 は内容も面白いですが、電子書籍でこの分量が読めることが新鮮でした。ただビジネス書は電子書籍だと図表が見にくいのは問題ですね。GARAPAGOS Appがダメなだけかもしれないけど。自分のアタマで考えようは"ネットで調べればわかるけどあえて調べずに自分で考えることが重要"という視点が良かったです。