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小林紀子バレエシアター アナスタシア

最後まで見ないと面白さがわからない、なかなかめんどくさい作品。

正直第一幕、二幕を見たときは、今ひとつな作品だと思っていた。最初舞台のあらすじ読まずに、アナスタシア皇女の歴史的事実だけ軽く事前に読んでいたのだが、これがいつの時点で、何の場面なのかもよくわからなかった。第一幕終幕の休憩で、携帯であらすじを検索してやっとわかった次第。

歴史的事実をモチーフにしている故かもしれないが、ストーリーはかなり厳しいものがある。抜群のラスプーチンの存在感、バレリーナと王の関係、病弱の息子などいろいろ面白い要素がある割には、実のところ話の伏線としては機能していない。第二部のクライマックスの革命もあっさり終わってしまい、演出的にも平板。なぜこれだけ面白い要素があって、こんなつまらん話になるのかと思っていた。

そして第三幕。アナスタシアの生まれ変わりと称する女性の話だが、あらすじを読んでもいったいどうバレエで演出するのがさっぱりわからなかった。ところがここで今までの演出を真っ向から否定し、それでいてバレエの定石を生かした上での、アンチバレエ的な演出の数々で度肝を抜かれる。

まあ1971年という事で冒頭の音楽等古さはないわけではないが、これまでの話はなんだったのかという面白さ。最初のローラースケートの登場と最後が対になっているのも心憎い。ただ当然一二幕が好きだった人には三幕は不評なのではないか。まあストーリー的には相変わらず伏線の回収も何もないのだが。

調べたところ、もともとマクミランがロイヤルバレエ団から追い出されていた間にこの第三幕のみの話を作成し、ロイヤルに戻ってから、ロイヤルのために一幕、二幕をつけたらしい。それを考えるとこの奇妙な、ある意味意地の悪い構成も納得がいく。

舞台美術はなかなか良かったと思うのだが、一点気になったのが、第二幕の斜めのシャンデリアの中央のものが、横二つに対しずれているように見えた点。あれはやっぱりきちんと並ぶべきではないのかと思うのですがどうなんでしょう。