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プラスチックの木でなにが悪いのか

http://www.amazon.co.jp/dp/4326653671
買ってから5ヶ月くらいかけて読了。美術の本はいくらか読んだことありますが、美学の本は初めてだったのでかなりつらかったです。途中で入門書として「美学への招待」と「現代アートの哲学」を読みました。まあでも議論の1/4くらいしかわかってないと思う。哲学書や現代美術論に慣れていない人が題名のキャッチーさに惹かれて買うとかなりつらいと思うので人に勧めはしません。

山形浩生先生がこの本ボロクソに言ってるのも読みました。思うのは、そもそも美的フレーミングが社会的にしか決まらないという前提において、筆者が想定する倫理的に容認される美的フレーミングに入るか入らないかという点で美的な良し悪しを決めるという論理だと、客観的には良いものは良い、悪いものは悪いという議論にしか見えないというのはなんか仕方ないような気もします。

たぶんこの理論はもともと6, 7, 8章の現代美術と倫理のための理論で、それを5章の表題に適用したというのが、この本の面白いところなのでしょう。ただそこは他分野の専門家に叩かれるところでもあり、むしろ叩かれて本望。キャッチーな問題提起により、自分のような美術は観るけど、美学とか存在すら知らなかった人とか、山形浩生先生のような他分野の専門家が、美学という考え方の存在に良くも悪くも気がついたことそのものが、この本にとっては成功なのかもしれません。

美学という考え方は確かにトートロジーっぽく見える部分もありますが、アートというものをある程度観るとだれもが感じる疑問に対する一つの考え方としては有効だとは思います。ちなみにこの後は美学辞典読むつもり。なんというか教科書的な歴史知らないとわかんないので。