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さわ ひらき Under the Box, Beyond the Bounds

自分にとって数少ない、この人の個展が美術館で観たい作家の一人がさわひらきさんでした。10年前くらい国際交流基金でDwellingを観て以来気になっており、グループ展でちょくちょく観てはいたものの、ついに時代が来たという感じです。

たぶん最も有名なDwellingは以下です。どっかの航空会社のCMがパクってましたね。全体的にゆっくりしたトーンで静かに動くという点は近作でも共通しています。

dwelling - YouTube
今回の展示も一部を除いてほぼビデオ映像なので、きちんとみるとかなり時間がかかりますのでその点だけは御注意を。

作品については、たぶんいろいろ理屈は並べられるのかもしれないですが、単純に映像として面白いです。ストーリーがあるわけでも、理屈による仕掛けがあるわけでも、社会的なメッセージがあるわけでも、エンターテイメントとしてのカタルシスがあるわけでもない。ただ淡々と静かに味わうべき作品です。

ミュージックビデオやアートアニメーションに近いのかもしれません。しかし、初期作品はそこに近い部分もありましたが、近作になるとそれらの枠組みを明らかに逸脱した方向になってきます。

特に良かったのは新作の鏡を使用した作品ですね。鏡を通して作品を観ると、この映像は魔法の鏡を通しているからそう見えるだけで、振り返ると通常の光景が広がっているのではないか。そんな気がしてつい振り返ってしまいます。

アートとは何かというのは人によって異なると思います。メッセージであるべきというのも一つの考えでしょう。ただ自分にとってはむしろ語らない物の方が、豊かさを感じるのです。