新たな系譜学をもとめて‐ 跳躍/痕跡/身体

東京都現代美術館の東京アートミーティングシリーズの第五回。今回はチョイ・カファイが圧倒的に面白かったです。

筋肉に電気信号を与えることにより、人間の体を電気的に動かせることを利用し、体の動きをアーカイブして、他の人間に移植する…何を言っているのかわからないと思うがSFの話ではなく実際に行っているプロジェクト。下記が動画。2011年に日本に来たらしい。

http://www.youtube.com/watch?v=JRIklaV_1mc

今回は土方巽の舞踏作品「夏の嵐」を映像から自分でコピーして、自分の体を使って再現する作品。ビデオ映像ですがあまりに衝撃でした。

舞踏については全く詳しくなく、見た回数も少ないので非常にコメントしづらいのですが、バレエ的な型とは真逆の、不自由から出る自発的な動き的な何かがあるじゃないですか。

そういう極めて個人的な感性による動きが、真似とはまた違った形、いやもちろん真似なんですけど、電気的に"自発"として体に注入されるというのが凄いよなと。機会があれば観てみたいです。

もちろんそうやって筋肉の動きを外部から制御できる事に対する恐怖はありますけどね。でもAEDもその応用なわけですよね。


あと電通ラボ東京都&ライゾマティクスで国立競技場のプロジェクトも面白かったです。これも方向性は違うけど、人体の動きのアーカイブと再生という意味では同じで、こういうパフォーマンスを国立競技場最終日に行うのが日本だなあと。


まあ人体パフォーマンスって生で観るのが一番面白いですよね。というかビデオで流されても退屈で長時間観る気がしない(笑) その意味で、生でない展覧会という形だと、アーカイブという形の可能性を追求するのが一番面白いという結論になるのは当たり前なのかなという気がします。


最後に同時開催の"ミシェル・ゴンドリーの世界一周"展についても言っておくと、正直ひどかった。これまでの東京都現代美術館の展覧会で最悪じゃないですかね…

ミュージックビデオの見せ方が最悪で、過去に別の展覧会で似た方法やったときは、物語だったのでシーンの区切りがついたんですよね。ミュージックビデオをぶつ切りでノイズだらけで見せられてもどうしろという感じです。まあ全部YouTubeで見れそうだしね。

ミシェル・ゴンドリーと何の関係もない広大な映画セットも何のためにあったのかよくわかりません。

この企画何のためにやったんでしょうね。映画の宣伝として美術館にお金が入るのでしょうか?