いけにえと雪のセツナ

セツナ解きました。細かい不満はないわけではないけど、いいゲームでした。人はかなり選ぶと思いますが。

懐かしさの皮を被った、実に現代らしいゲームですね。宣伝にもあるようにクロノトリガーから受け継いだ部分も多いけど、比べるのはちょっと違うよなと。

クロノトリガーって当時のAAAタイトルですよ。コマンド選択式のRPGが今のFPS並みの超人気ジャンルで、お金もどんどんかけられる。その中でのFFとDQのスタッフが組んだドリームプロジェクト。

翻って今は世界的にはオープンワールドにあらずんばゲームにあらずという状態。FF15もアクションゲームになり、コマンド選択式のRPGは非常に狭いマーケットでしか扱われないわけです。妖怪ウォッチは除く。その中でコマンド選択式のRPGをオリジナルIPで作る。しかも萌え要素なしという企画。


そのためボリュームとバラエティを捨てて、世界観とシナリオの一点突破を優先。結果として生まれたのが雪の世界と、ほぼピアノのみの音楽、そしていけにえという殺す運命の少女を守る旅という物語で、その一貫性とブレなさについては素晴らしいと思います。

シナリオについては、正直またこのネタかみたいな部分も結構多いんですが、全体としては好きです。セツナが普通にかわいいんですけど、そう思うたびに、ああでもこの子殺すことになるんだな…と思うわけで、複雑な気持ちになる。その時点でシナリオの勝利だし、短い作品ならではという気がします。

他がダメと言う人もこれだけは褒めているというのが音楽で、たしかにPVの時点でやばいと思い、実際良かったです。Amazonのサントラのレビューが「ゲームはやってないけどサントラは買った」がこれだけ多いのも珍しいのでは…自分もサントラ買いました。


悪い点を挙げると、バトルが単調になりがちなのは確かにありますね。刹那システムが自分は今一つ有効に使いこなせなかったのはあると思いますが。タイミング合わせるでなくて、決定を□でするとかにできなったのかな。

エンドのオーラが初期からほぼ全員全回復できるのはどうなんだろう。おかげでヒーラーとしてのセツナが使いどころが難しい。「グー」とか言うよくわかんない叫びがかわいいから使いたいんですが。

あと細かい点で不親切。イベントの早送りがないのでボス戦の再戦が面倒とか、街にセーブポイントがないとか、素材を全部まとめて売る手段がないとか。昔のスクエニあるあるみたいな感じですが、そういうところはスーファミ時代を踏襲しなくていいと思います。

また、キャラクターデザインのイラストがすごくいいので、ステータス画面で大きいイラストも見られるようにして欲しかったですね。これはあえて削ったんでしょうが。


まあ不満もないわけではないんですが、一貫した世界観はやはり魅力的なので、そこに魅力を感じる人はやってもいいのではと思います。