2017年良かったもの: 美術編

2017年良かったものまとめです。美術編になります。
今年は東京ステーションギャラリー新国立美術館が良い展覧会が多かったように思います。

単色のリズム 韓国の抽象

http://www.operacity.jp/ag/exh202/
東京オペラシティアートギャラリーの本領発揮という感じのテーマのいい展覧会でした。
日本における"もの派"が立体的な素材を扱った一方で、韓国が単色画という平面のテクスチャに特化した流れになったのは国民性的な部分もあるのかもしれず面白いです。

不染鉄展

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/201707_fusentetsu.html
日本画ではあるが、花鳥風月の華やかさが一切なく、建物、山、海などしかありません。色も地味。しかしだからこそいいのです。
応挙のような綿密な写実さがあるかと思えば、大胆な脚色もある、何とも言えない不思議で独特な作品群だと思います。
有名ではない作家を"発見"するという美術館の役割をきちんと果たした展覧会だと思います。

特別展「茶の湯

http://yamak.hatenablog.com/entry/2017/05/28/194210
上記でも書きましたが、理解できなかったものが、文脈が自分の中で構成されることによってわかるというのは。美術を文脈的に見るという姿勢において、この上ない面白い経験だと思います。
それができたという点だけで素晴らしい展覧会でした。

ミュシャ

http://yamak.hatenablog.com/entry/2017/03/26/232625
とにかくこのサイズの絵をこれだけ持ってきたという点だけで凄い展覧会でした。
それだけではなく、他国でのデザイナーとしての栄光と、祖国に対する思い。それに対する国内からの視線とのギャップと、美術家と近代史という意味でも重い展覧会でした。

草間彌生 わが永遠の魂

http://yamak.hatenablog.com/entry/2017/03/05/183027
今やかつての岡本太郎のように、その作品のすばらしさとは別に"芸術家=変人"のイメージとして消費される存在になった感もある草間彌生
そういう消費を何とも思わないどころか、インスタ世代のトレンドを最大限に利用した上で、美術家としての真摯な姿勢と、圧倒的な作品群を見せつける展覧会でした。