ヌード

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裸体の美しさとは何かを考えるいい展覧会でした。

女性の裸体画を見る度に思っていたんですが、自分は「女性の裸体は美しい」と思えないんですよね。「美的に美しい体」はあるかもしれないけど、「女性だから美しい」とは思えない。

「女性の裸体は美しい」というのは暗に「男性の裸体は醜い」「女性の体は美的に鑑賞すべきであって、性的に消費すべきでない」という前提があるように思います。ただどちらも自分にとってはピンとこない。

古代ギリシャについては神々にとっての肉体美が重要だったことは理解できます。そこには男女を問わず裸体であることに価値があった。

ただルネサンス以降の神話の女性のヌードについてはついては古代の復興という意味以上に「性的な興味を美的な意味にするための名目」でしかないように思うわけです。そう思ってしまうと「女性の裸体は美しい」って言われてもそういう建前だしなあとしか思えない。

そこに一石を投じたのが自分にとってはロダンなんです。ロダンは人体のポーズに純粋に形としての美を見出した。女性の裸体だから美しいのではなく、人の裸体でなくては到達できない形の美を発見したように思うわけです。

モダンダンスの美に近い感覚ですね。その意味でロダンは凄いなと。この展覧会でもその点が再確認できた気がします。