https://www.operacity.jp/ag/exh211/
彫刻とは何かを考えるいい展覧会でした。
イサム・ノグチはちょっと前に東京都現代美術館で観たなと思ったんですが、もう12年も経ってるんですね。時の経つことの速さにショックを受けました。
彫刻というのは「素材」と「かたち」の組み合わせなんだなと。当たり前に見えますが、イサム・ノグチほどそれを強く感じさせる作家はいないのではと思います。
「素材」から我々は知らず知らずのうちにそれから想定される「かたち」を期待している。それは自然のかたちだけでなく、文化的なものもある。
例えば、ブロンズ像は金属で人や生き物を作っていますが、そこに違和感を感じる人は今はいない。これは文化的なものです。
その「あたりまえ」をいかに打ち破り、それでいて暴力的でも無機質でもなく、人に寄り添う「かたち」をつくることができるか。その難しさに取り組み続けたのがイサム・ノグチではないかと思うのです。
そのためには形に過剰に意味があってはいけない。ブロンズ像の話のように「何かの像」になってしまうと人はそこで思考停止してしまう。
イサム・ノグチの像は有機的に見えるものの、特定の生物を連想させるものは少ない。だからといって工業製品的な正確な形も意味が強すぎる。どちらでもないのです。
また、今回初めて見た「北京ドローイング」と呼ばれる毛筆と墨による身体素描も非常に良かったです。ダンス的な人の動きのダイナミズムと形の面白さを表現するのにこれほど適切な素材はない。久しぶりにダンスを見たくなったくらいです。
モエレ沼公園ももう一回くらい行きたいですね。今度は暖かいときに。前は5月なのに雪降ってたので…