縄文展

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東京国立博物館の縄文展が面白くないわけがないんですが、期待通り良かったです。

縄文時代というと土器と土偶で、どっちも第一級のものが揃っているのですが、今回はやはり土器を押したい。

ダイナミックな造形と繊細な模様の土器を見ながら思ったのは、これ実は他の地域にないのではってことでした。自分は多少は海外の国立博物館にも行って、世界のこの辺りの時代の土器も見た気がしますが、土器がこれだけダイナミックに進化している地域はない気がしていました。

そう思っていたところで「世界の旧石器時代の土器」のコーナーが出てきたので「いやまさにこれが見たかった」という感じでビックリしました。こういう試みは今まで東京国立博物館でなかった気がします。

これを見て分かったのは、日本は四大文明の地域からはかなり遅れていた。当時は既に先進地域は金属の加工もできる状態で、このような造形はむしろ青銅器などに行われていたわけです。例えば中国の青銅器の渦巻き模や特異な形は、縄文式土器と似たものを感じます。

推測ですが、そのような呪術的な形は大陸から伝わったが、金属加工の技術を伝えることはできなかった。そのために日本では土器が世界にも稀にみる特異な形で発展したのではないかと思います。

また、当時先進地域では既に土器そのものはシンプルな形で、土器に絵付けをする技術が完成しており、むしろ絵のほうが発展していた。日本ではその技術がなかったことが、結果として模様や形の面白さを生み出したという点もあると思います。

遅れているからこそ独自の文化が発達するというのは面白いですね。