先日イランに1週間の旅行に行ってきました。楽しかったです。
とはいえ、そもそもイランに行くことが現実的なのかどうか含め、かなりの準備と調査を行いました。それについて書くことで、イランに行きたいと思う人の助けになればと思います。
サマリー
自分の旅行について
旅行記ではないので、参考になる情報のみ書きます。
移動と宿泊手配のみ旅行会社に頼むフリープランで、定番のシラーズ、ペルセポリス、エスファハーン、テヘランの7日間のプランです。
旅行会社はファイブスタークラブを使用しました。イランのフリープランを扱っている会社はここしかありませんでした。特に大きな問題はなかったです。
非英語圏への旅行経験があれば難しいことはない
いくつか特別に注意すべき点はあるものの、東南アジア等、非英語圏の展途上国の旅行経験があれば、それ以上に大変ということはありません。
自分はこれまで十数ヶ国の旅行経験がありますが、終わってみればむしろトラブルの少なかったほうの旅行になります。
特に東南アジアやインドのように旅行者に対する過剰な干渉がなく、お釣りをごまかされるようなこともほとんどなかった。
さすがに初海外や英語圏しか行ったことない人にはおススメできないですが、それなりに経験があれば全く問題ないと思います。
治安は主要観光地は安全
海外安全渡航情報を見て頂ければわかりますが、2018年10月現在。イランは意外と安全です。
海外安全ホームページ: 危険・スポット・広域情報
国境付近と南東部以外はレベル1で、主要観光地であるラーズ、ペルセポリス、エスファハーン、テヘランは全てレベル1の中央にあります。
イランの東西がイラクとアフガニスタンというレベル4地域に挟まれているため、国境周辺は高いですが、中央はそうでもありません。
実際に街を歩いていても、欧米の観光客はそれなりに多く、夜景観賞も何の問題もなく行えました。
もちろん通常の海外旅行の安全対策は取るべきですが、東南アジア等に比べて特別危険ということはないように思います。
経済封鎖が大問題
実はイラン旅行で他国と比べて問題なのは経済封鎖です。
特に問題なのはクレジットカードが使えないことですね。後でも述べますが、現金は単位の問題もあり慣れるまでかなり大変です。物価が安いので細かいことを気にしないのが肝心です。
女性の服装制限は厳しい
もう一つ大変なのは女性の服装制限ですね。実際に現地に行っても、成人女性でチャードルを着用していない人は、外国人観光客を含めても誰一人として見ませんでした。小学生くらいまでは大丈夫なようですが。これはきちんと準備すべきでしょう。
一方男性については、短パンは全く見ませんでしたが、半袖はそれなりに見ました。ただ暑さを考えると、やはり長袖シャツが多いようです。自分も結局半袖でいることが多く、特に注意されたりもありませんでした。
ペルシャ数字は覚えよう
ペルシャ語は覚えなくてもなんとかなりますが、ペルシャ数字だけは覚えたほうがいいでしょう。最低限読めればいいです。
特に困るのが空港の航空機の便名や発着時間もペルシャ数字しかないこと。国内線だけでなく国際線もペルシャ数字だけだったりします。
物価は安いがお金周りは面倒
物価は安いです。昼食のサンドイッチとコーラで200円程度。しかし罠が複数あります。
単位が異常に大きい問題
上記の200円程度は20万リアルです。はい、単位がおかしいですね。最初に$100両替したら1400万リアルでした。1400万円欲しいですね。
50万リアル紙幣が存在しない問題
上記は50万リアル紙幣26枚でもらった…はずなんですが、地球の歩き方見ても50万リアル紙幣って載っていない。最大で10万リアルです。
なんだこれはと思うわけですが、これはイランチェックという小切手の一種だそうです。後ろのほうの各種情報のページに書いてあります。実際は紙幣と同じように問題なく使用できます。
リアルかトマムか問題
店ではほとんどの場合リアルの10倍の単位のトマムで書いたり話したりします。
リアルなのは入場料くらいですかね。その場合リアルってちゃんと書いてあります。
よくわからなければリアルでお金を出したら、足りないって突っ込まれるので素直に払えばいいでしょう。
細かいお金でもわりときちんとお釣りはくれるので、そのあたりあまり神経質になる必要はありません。
ドルが公定レートよりインフレしてる問題
これが一番の驚きなのですが、ネットで調べると出てくる公定レートと、空港での両替のレートが3倍くらい違う。ドルが3倍くらい高くなっています。
今日公定レートを調べると1ドル4万リアルくらいなのですが、さっき100ドルで1200万リアルと言いましたね。それなら400万リアル程度になるはずです。
何かだまされたのかと思いましたが、多い分には文句をいう必要もない。自分だけかと思いましたが、旅の途中であった他の日本人の方も全く同じことを言っていたので、そういうもののようです。
イラン料理のレストランは意外と少ない
地球の歩き方にも書いてありますが、イラン料理のレストランは意外と少ないです。
もちろんホテルにはあります。でも特に自分のような一人旅だとそんなちゃんとしたレストランに入りたいわけではない。大衆食堂かファーストフード的なもので食べたいわけです。
ところが、イラン料理のファーストフード的なものが意外とない。あるのはサンドイッチ、ハンバーガー的なものばかりです。といってもマクドナルドのような海外のチェーン店があるわけではなく、多くは個人商店でやっている。イランのファーストフードチェーンもあります。
とはいえ、個人商店なのでサンドイッチはもちろん手作り。量も1つ食べれば昼食には十分なほど多く、味もおいしい。サブウェイやバーガーキングのワッパーが近いかも。ドリンクはもちろん正真正銘のコカ・コーラです。
これは外国人観光客向けというわけでもなさそうで、イランの人も普通に食べています。もちろんメニューはペルシャ語しかありません。
結局イランでイラン料理らしいものを食べたのは、ドライバーとの移動中と、外国人向けのイラン料理屋で2回だけでした。
そんなわけでイラン料理を食べたい人は、それなりにきちんと調べたほうがいいようです。
スマホのオフライン対応をしておこう
先に書いたようにデータローミングができません。そのためスマホは通話専用…にするのはもったいないですね。実はGoogleマップ、Google翻訳はオフライン対応しておくと、通信が使えなくても使用できます。
特にGoogleマップは使えると使えないとで大きく違います。やりかたはこことか見てください。
https://rocketnews24.com/2017/10/30/974111/
事前にダウンロードさえしておけば、こんな風に普通に使用できます。
またGoogleドライブに旅行に関する各種メモを保存している場合、各ドキュメントのオフライン対応もきちんとやっておきましょう。
ぜひ出発前にやっておきましょう。ホテルや空港のWifiに期待してはいけません。すごく遅かったり、つながらなかったりします。
トランジットも準備しよう
最後にイランには直行便はありません。どこかにトランジットすることになると思います。
自分はドーハにトランジットでしたが、帰りは何と12時間の待ち時間。カタール航空利用でドーハでのトランジットの場合、5時間以上だとドーハの市内ツアーに行くことができます。有料ですが1300円程度です。
ディスカバー・カタールのドーハ市内観光ツアー | Qatar Airways
バスで回って10分くらいづつ写真を撮るだけのツアーではありますが、イランとはまた違った金持ちアラブを見ることができ、それなりに興味深かったです。
注意点として、開始の1時間前に集合で、一旦出国手続きをしなければならないので、集合後すぐに出発します。開始時間に行くと間に合わないので注意しましょう。
ちなみにドーハの空港のWifiはSMSからのPINの登録で使えるようになりますが、中央のターミナルの連結点あたりは使い物になりません。トランジットの長い場合は、ターミナルの建物内列車で移動して端のほうに行くと快適です。
最後に
海外旅行には何度か行ったことがあり、中東に興味はあるが、どこも怖そうだと思っている人。そんな人にはイランはかなりおススメです。比較的安全ですし、中東で最も世界遺産の多い国で見どころも多い。ぜひ検討してみてはどうでしょうか。