2018年良かったもの 美術編

今年は数えると45本美術展に行ってますね。
客観的に見ると美術好きなんだろうけど、他に外に出る趣味がないからでしかないです。
今年は東京ステーションギャラリー世田谷美術館が良かった気がします。
マイナーな近代作家の回顧展はいいですよね。

超えていく風景 - 梅沢和木

ワタリウム美術館
http://yamak.hatenablog.com/entry/2018/09/01/223807
今年のベストはこれかな。
時期的に"未確認で進行形"のアニメにはまった時期とかぶったのもあり、自分の現実認識の絶望感のようなものとあまりにもシンクロしていた。
梅沢和木自体は以前から知ってはいて、作品も単品でいくつか観ていたけど、あまりピンと来ていなかった。
"自分"というのは作品理解における最大のコンテキストなんだと思います。

いわさきちひろ 絵描きです

東京ステーションギャラリー
http://yamak.hatenablog.com/entry/2018/08/19/220532
ある程度いろんなものを観たからこそ、その本当の良さを知ることができるというか。
共産党員でかつ新聞記者という意外な背景も知ることができ、それが子供に対する視点にもつながっているというのも良い。
絵本作家の展覧会は人気も高く多いが、その中でも屈指の展覧会だと思う。

文展

東京国立博物館
http://yamak.hatenablog.com/entry/2018/07/29/224341
これも比較することで本当の凄さがわかる展覧会でした。
土器と土偶の超一級品が集まっていることもそうですが、この土器が異常に造形的に発達したのは日本だけという事実を知ることができたのは面白かった。

彫刻から身体・庭へ - イサム ノグチ

東京オペラシティ アートギャラリー
http://yamak.hatenablog.com/entry/2018/07/14/210647
イサム ノグチが単にすごく好きなんですよね。
現代において彫刻というものを突き詰めようというすると、こういう形になるのは必然というか。その上で何を見ても新鮮が驚きがある。
そして最後にして最大の作品であるモエレ沼公園が亡くなって20年近くたって完成するとか、理想の芸術家でないかと思います。

人間・髙山辰雄展

世田谷美術館
現代において人間を描くとは何かを突き詰めていくと、結果として宗教画ではないが宗教的になっていくという、その過程を作家の生涯を通じて知ることができる。
過多や華美にならない構成ながら、70歳を超えても常に新しい表現に挑んていて素晴らしい 。

ゴードン・マッタ=クラーク展

東京国立近代美術館
現代美術の役割は、常識に凝り固まった見方を斜めの断面から見せることだと思う。
取り壊し前の建物を時間をかけて実際に切ってしまうという、実に身も蓋もないプロジェクトで、こういう人がいるというだけで、勇気づけられる部分がある。
廃工場のプロジェクトがすごくいいんだけど、許可得ずにやって訴えられたというエピソードも良い。