きんいろモザイク

「なんで今までこれを知らなかったんだろう」と思うことってたまにあると思うんですよ。自分にとって2019年最大の「なんで今まで」はきんモザを読んでなかったことでした。

きらら系と言えば"ごちうさ"の次に出てくるのは間違いなく"きんモザ"というくらい有名ですが、あまりにも有名すぎて自分は一度読んだ気になってた。

最初の話だけは知ってたので、たぶん無料分だけ読んでいたんだと思います。そこであまりピンと来なくて単行本は買ってなかった。

アニメを観たのは「となりの吸血鬼さん」が「ぎんいろモザイク」と言われているのを知って、同じStudio五組というのもあって観てみるか的な感じでしたが、そこでまさに「なんで今までこれ読んでなかったんだ」と思いました。

「きらら的である」という定義は人それぞれだと思います。でも自分にとって「きんモザ」は自分の読んだ日常系の中でも最もピュアに「きらら的」な漫画なのではないかと思います。

自分にとっての「きらら的」とは何か。「可愛い女の子」「日常」「ギャグ」といったものがきらら的な基本の構成要素ではないかと。

一方で確かに漫画としては魅力的なは要素ではあるが、きらら的ではない要素というのもあります。例えば「恋愛」「エロ」「バトル」「異世界」「努力」「成長」「感動」等です。

「きらら的ではない要素」があるから漫画として面白くないというわけでは決してなく「まちカドまぞく」はその典型例です。でもその一方で「きんモザ」のようなピュアにきらら的要素だけで構成された漫画の美しさがある。

日本画で言うところの円山応挙のような必要最小限の美学で構成されている。例えがわかりにくいけどそういうことです。

アニメは自分はどっちかというと一期のほうが好きですね。二期は割と各話のキャラクター単位のまとまりがきれいだったように思います。

でも一期の唐突に四コマのネタがぶっこまれる感じと、なんかよくわからないがアリスと忍の幸せぶりにこちらも幸福になってしまう感じが最高でした。「日本大好き」とか「山手線ゲーム」とかきんモザアバンタイトルのネタが最高ですよね。

日常だけでなく、一期二期ともに終盤で仕込まれるやりすぎ感のあるネタも面白くて、一期のミュージカルも二期の魔法少女も非常に面白かったです。

原作は実は早く読み進めるのがもったいなくてまだ二巻までしか読んでいないのですが、二巻読んだ後で一巻読み直しても普通に面白い。

イラストもすばらしくて画集「ひみつのきんいろモザイク」も新品で入手しました。絶版でも新品はあるところにはあるのね。幸福感しかないです。

アニメは観終わってもまだ原作は読み進められる。そういう意味では「今まで知らなかったこと」はむしろ幸運だったのかもしれません。