ガメラ2 レギオン襲来 4K HDR上映

改めて観てもSFとして、映像作品として、そしてエンターテイメントとして良くできているなと。

自分は特別に怪獣映画に思い入れがあるわけでもないのだが、学生の頃の友人の影響で平成ゴジラシリーズはだいたい見ていたように思う。

とはいえ日本のSF映画というのはハリウッドに比べると映像的にもストーリー的にも劣るのが当たり前で、それを味として楽しむものという認識で見ていた。その認識が自分の中で覆されたのが1996年の本作だった。

元々特に期待もしておらず、平成ガメラシリーズ1作目のガメラ 大怪獣空中決戦は観てなかったはずで、なんか評判が良いらしいので2作目を観るか的な感じだった気がする。

SF的に面白いのはやはりレギオンの設定で、植物としての草体と共生する生物という点だと思う。小型レギオンの生体組織やコミュニケーション方法の話も面白い。そもそも大型レギオンいらないのではという気がするが、女王蟻的な役割なのだろう。

ガメラは小型レギオンに弱いが大型レギオンと戦える。自衛隊は大型レギオンには歯が立たないが、小型レギオンには対抗できるという物語上の役割分担ができるのも大きい。このおかげで自衛隊が咬ませ犬になることがない。

自衛隊がカッコよく描かれすぎていることに対する違和感を感じる人もいるかもしれないが、現実にこういう事態になったら自衛隊が出るしかないだろう。自衛行為として政府が承認する部分もちゃんと出てくる。

映像的にも地下鉄のホラー展開、巨大な草体、小型レギオンに取りつかれたガメラの必死の飛行や、名物ドリフト火球など見どころ満載。もちろん今の基準から見ると安っぽく見える部分もあるだろうが、当時はハリウッド映画とも遜色ないレベルで邦画としては革命的だったのだ。

そしてヒロインの水野美紀が良い、そして若い。冬の北海道でもミニスカートなのは監督のこだわりだったという話を聞いたことがある。とはいえお飾り美少女というわけではなく、知的で主体的に行動する大人のヒロインなので、女性が観てもそこまで違和感はないように思う。

普段怪獣映画なんか観ないけど「シン・ゴジラ」が面白かったし、何か他に勧められるものあると聞かれたら、自信をもって勧められる作品ではないかと思う。