Kバレエカンパニー 海賊

男性中心のバレエですが、Kバレエは男性陣がいいのではまり演目だと思います。他のバレエ団だと男性陣が女性より背が低くてペアになると映えなかったりするのですが、Kバレエはそれがないです。自分がみたのは熊川さんの回ではないですが、西野さんも十分すばらしかったです。

あと毎回ですが美術と衣装が実にいいですね。豪華だけど上品。変なケレン味もなく、正統派の美術だけど現代的で古くさい感じがしない。今回は特に最後のハーレムの美術と、白い衣装の組み合わせが良かったです。

ただちょっと残念だったのは思ったのは、後半ハーレム編に入ってからのバレエ的盛り上がりが薄かったこと。いや話的には面白い展開だし、派手な戦闘もありますよ。ただ衝撃の展開とか戦闘って、映画なら文句なしに盛り上がるのですが、バレエだとどうしてもこれがメインじゃない感がしてしまうのですよ。もう少しバレエとしても盛り上がって欲しかった。もちろん、洞窟編でのバレエとしての盛り上がりはすばらしかったし十分堪能はしたのですが。

なんとなく思うのは、この物語性の重視こそ、熊川演出の特色なのかもしれないなあとということ。ロミオとジュリエットも、最後のバレエの演出としての使い方はすばらしかったけど、無理にバレエ的に盛り上げようとはしない。あくまで物語性を壊さない程度にしている。バレエを見せるためにためにクライマックスを冗長にして物語の感動をそぐのを良しとしないのかもしれません。