波瀾万丈! おかね道

http://www.miraikan.jst.go.jp/spevent/money/
凡庸な施設名にもかかわらず、これまでの数々のアグレッシブな企画から、ついにビヨークまで降臨しようという日本科学未来館の最新企画に行って来ました。およそ科学と関係ないように見えますが、しっかり科学になっているところはさすがです。行動心理学とかが近いんですかね。

単純な展示はなく、すべて自分で行う実験とその結果の解説で構成されています。そのため、1つ1つの実験の待ち時間がそれなりにあります。また、実験を一人でやって一人ツッコミは若干悲しい物があるので、できれば2人以上で行った方がいいと思います。

実験は小道具の通帳も凝っており、どれもそれなりに面白いです。ただいくつか選択肢の意味がわかりにくかったり、選択肢が不適切な物もあったように思います。特に実験場(5)のBとCの選択肢は、報酬付与後の行動が意味があるにもかかわらず、報酬の種類が選択肢になっており、あまりよい設問とは思えませんでした。

こういう形で明示的に問われると、意図的に「合理的な行動」を取ること自体は難しくないですが、普段の生活の場でよく考えたらそういう行動を取ってることはやはり多いかもしれません。

認知的不協和とか、その時は「ふーん」と思ってましたが、翌日あることでそういう行動を取った自分に苦笑いしました。まあ経済的合理性がないとわかっていても、心理的な満足を取ってしまうことはありますし、そのほうが結果的には幸福に近いのかもしれません。

こういう心理効果を使用した実例として、ソーシャルゲームの課金等もあると思うのですが、そういう実例はあまりに生臭すぎるからかあまりなかったですね。あると面白いのにと思いますが。

美術館も愛、幸福、平和、環境なんかの口当たりの良いテーマの展覧会ばっかりやってないで、ここは一つ「金」をテーマにした展覧会をやってくれないですかね。別に皮肉ではなく、経済システムを扱う現代美術家は結構いるので面白いと思いますけど。

ところで、友人との間で最後まで疑問だったのは「ビヨークはこの施設のどこでライブをするのか」でした。どこなんだろう…