2016年良かったもの: 美術 書籍 マンガ

2016年良かったもの美術、書籍、マンガ編です。
映画、ゲーム編はこちら
2016年良かったもの: 映画 ゲーム - yamak's diary

美術

今年は結構観た気がします。記録してる分だと33本観てますね。
まあ単に暇なときに一番行きやすいのが美術展という理由もありますが。

若冲

生誕300年記念 若冲展|東京都美術館
とにかく行列の長さで話題になった展覧会。自分も2時間近く並んで観たけど、それだけの価値はありました。「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が揃うさまはとにかく圧巻。美しいというより"ありがたい"という気持ちになった。もともと寺に奉納されたものなのでそう感じることが本来の価値なのです。

アルバレス・ブラボ写真展

企画展 - 世田谷美術館
アンリ・カルティエブレッソンに代表される、写真の芸術としての美しさが"発見"された時代。そしてそれを奇をてらうことなく純粋につきつめることができた時代の作品という感じがする。写真って美しいと素直に思える。メキシコの近現代美術ってやっぱり何か特別なものがあります。

ライアン・マッギンレー BODY LOUD!

ライアン・マッギンレー BODY LOUD !|東京オペラシティアートギャラリー
バカッターとアートの違いは何か。アートなら何をやっても無罪なのか。そんな話題は今年も相変わらずありました。それらを考えるのにふさわしい展覧会。というかぶっちゃけバカなんですけど。

気仙沼と、東日本大震災の記憶

気仙沼と、東日本大震災の記憶 | 目黒区美術館
地域にとって美術館とは何か。美術など無意味な災害状況において、美術館は何をすべきなのか。正解のない問いに対し、自分たちで考えて出した回答。

実は自分はこの展覧会を観た後、GWに気仙沼に行って、リアス・アーク美術館にも行ってきました。観光を全然しないで、ひたすら津波時浸水マップを見ながら市内を回っておりました。それでいいのかという気もしないでもないですが…

書籍

今年はノンフィクションは歴史物、フィクションはSFを読んでました。下記はいずれも鉄板過ぎる気がしますが、面白いからこそ鉄板なわけで。

ローマ人の物語

ローマ人の物語 (1) ローマは一日にして成らず
約1年くらいかけて全15巻を読み終え、その後実際にローマにも行きました。その後何冊か歴史の本を読んで、改めてローマ人の物語の凄さに気が付きました。

歴史の本って基本的に、広く網羅しようとするほど、読み物としては面白くなくなるんですよ。逆に狭い本は焦点が絞れるので面白いけど、歴史の一部しか見られない。だから網羅的だが面白くない本か、狭い範囲だが面白い本かに分かれてしまう。

ローマ人の物語の凄いところは、じゃあ全体を長くして、面白い密度と語り口のまま全部描けばいいじゃんという決断をしたところなんですよ。そのまんまなんですが、それを真面目にやるという判断をやった人が他にいないわけです。

幼年期の終わり

幼年期の終わり (光文社古典新訳文庫)
この作品に対する感情ってどう言ったらいいんでしょう。つらいとか切ないとかそういうものを超えた、SFならではの感情だと思います。
あらすじだけ聞くと身も蓋もない話なんですが…

ハイペリオン / ハイペリオンの没落

ハイペリオン(上)
短編と長編ってそれぞれ良さがあると思いますけど、これは前編であるハイペリオンが短編集でありながら、後編であるハイペリオンの没落という長編小説の導入になっているわけです。

短編の"この世界観でもっと話が読みたい"が満たされる最高の構成で、しかもレベルがものすごく高い。今は別の本読んでますが、エンディミオンも早く読みたいです。あとキーツとかミルトンとか詩は教養としていつか読みたい…

漫画

今年はきらら系4コマを結構読んでました。ちなみにアニメはいずれも観てないです。オチのわかっている4コマをアニメで見るのって微妙…

ご注文はうさぎですか?

ご注文はうさぎですか? (1) (まんがタイムKRコミックス)
今年最もはまった漫画かもしれない。画集まで買いました。漫画の画集なんか買うの初めてです。

もともと日常系4コマは好きだったんですが、"きらら系"はあまりはまれなかったんですよね。絵柄でなくて、単に笑いの部分が少なすぎて。

たしかごちうさAmazonのお試しで冒頭だけ読んで、これ普通にギャグが面白いのではと思って買いました。このあと"きんモザ""ひだまり"等きらら系かなり読みましたが、はまったのは"ごちうさ"と"けいおん"でした。

両方ともギャグがしっかりしていて、絵も非常に丁寧なのが理由かもしれません。特にごちうさは4コマでここまでしっかり描いてる作家は少ないのでは。学園ものと違って服装もバラエティあって楽しいし。

のんのんびより

のんのんびより 1 (MFコミックス アライブシリーズ)
なんだろう…ギャグも面白いけど、ギャグのない回も結構多い…でものんのんびよりはそれでもいい気がする…というマンガです。転職活動で心が折れているときに、のんのんびよりを読むことで癒されました。

しかし萌え漫画に非現実的もなにもないと思うのですが、蛍ちゃんの小学5年生という設定だけは、設定そのものがなにかマズい気がしてなりません。