お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/29
- メディア: Kindle版
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2章までは面白いです。現状の分析として適確だと思いますし「持続的に発展する経済システムの5原則」は非常に面白いと思います。
ただ"経済"の定義を"コミュニティのためのシステム全般"まで広げるのであれば、それははるか昔から国家以外にもあったわけです。それこそ地域の共同体や宗教だって経済です。その意味では別に現代になってなにか新しく”経済の民主化"が起きたわけではありません。
また通貨の発行権という話に限っても、中央銀行制度以前からほとんどの国にあったわけです。正直そのあたりの論理がかなり雑な印象を受けます。
「評価経済」の話は、どうしても岡田斗司夫の「評価経済社会」を思い出しますね。「ぼくたちの洗脳社会」が1995年ですから、概念とシステムがやっと時代に追いついた感があります。今やっとその第一段階の実証が終わったというところでしょうか。
無形の価値の定量的な変換の難しさという意味では、法定通貨だろうとトークンだろうと本質的にはあまり変わらないわけです。根本的な問題は、法定通貨とトークンを異なる概念としている点で、法定通貨はトークンの一種にすぎないわけです。
そして価値とは無関係にトークンを増やすことに多くの人が熱狂している現状を見るに、まあ正直あまり変わらないのではと思いますね。