自分は強度の内向型で、外向型としてふるまうのもかなり苦手なほうです。そんなわけで内向型についての下記の2つの本を読みました。
- 出版社/メーカー: パンローリング株式会社
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内向型人間のすごい力 静かな人が世界を変える (講談社+α文庫)
- 作者: スーザン・ケイン
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/01/08
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どちらの本も自己啓発書のような題名がついているにも関わらず、自己啓発書的な明確さやポジティブさはあまりありません。しかし、心理学の豊富な事例に基づいており、考える部分は多いです。「内向型らしい」本だと思います。
両方に共通する要点は以下になります。
- 外向性 - 内向性 という考え方はユングに始まりいろいろあるが、現在でも心理学で気質の一つとして捉えられている。気質は変えるのが難しい。
- 外向性 - 内向性は本質的には外部からの刺激に対する過敏さの差である。内向型の人は外部刺激に対する過敏さが高く、外向型は低い。
- 刺激が大きすぎるとエネルギーを消耗し、刺激が少なすぎても退屈さに耐えられない。刺激が適当だとそこからエネルギーを得る。
- 人は適度な刺激のある状態にいたいと考える。内向型が人との交流が疲れるのは、人との交流は刺激が強すぎるからである。
- 外向型、内向型を大雑把に分けると、世間の3/4 - 1/2は外向型で、基本的に外向型が多い。ただし実際には内向型であるにもかかわらず、外向型のようにふるまえる人も多いので、内向型はより少なく見える。
- 現代の社会では外向型であることが望ましいという強い考えがある。組織のシステムも外向型の人が効果的に能力を発揮できるように設計されている。
- 内向型であっても芸術家や学者だけでなく、経営者やコンサルタントなどの人とかかわる仕事で成果を上げる人も多い。内向型の創造性や、慎重さが役にたつ部分も多い。
- 外向型中心の社会が変わることはないだろう。そのため、内向型の人間は、うまく刺激を調整して、エネルギーを回復できる場を見つける必要がある。
痛いほどよくわかるなあという感じですね。自分に関係するところでは、エンジニアという職種は20年くらい前に比べて、外向性を重視する比率が非常に上がってきていると感じます。
もちろん昔も仕事以外でも勉強すべきでしたし、オープンソースも、エンジニアのコミュニティもありました。そして仕事においても"エンジニアも人と話せなければいけない"というのも当然ありました。
ただ、昔は採用で今ほど極端にコミュニティ活動などの外向性を重視していなかった。各社のエンジニアや採用担当のインタビューを見ても、いかに外向性が優れたエンジニアであるかが重視されている気がします。
ペアプロ、モブプロ、LT、ハッカソンというここ10年くらいで注目されてきた仕組みについても、外向型のエンジニアはエネルギーを得るかもしれないですが、内向型にとっては、コミュニケーションの多さや、短期間で成果を求められる、競争的である等、苦手な部分が多すぎる。
自分自身は勉強会にでるのはいいが、懇親会には出たくないというレベルの内向型です。「懇親会のために参加」という人が正直理解できない。
外向型のほうが人数的に多いわけで、そこに最適化するのは当然と言われれば当然なのですが、エンジニアは今でも「隠れ内向型」がそれなりに多いのではと感じています。もう少し内向型でも生きやすくてもいいのではないかと思いますね。