「中東」の世界史

「中東」の世界史

「中東」の世界史

中東の近現代史を知りたいなら、とりあえずこれを読んでおけばいいのでは。

タイトルからいつの時代を扱っているのかわかりにくいが、扱っているのは19世紀以降のみ。時代をわかりやすく言うなら「中東近現代史」と言ったところか。

中東の歴史は大雑把に「イスラーム以前」「イスラーム帝国時代」「オスマン帝国時代」「近代以降」に分けられるので、これは「近代以降」。イスラーム帝国とオスマン帝国は「興亡の世界史」シリーズにそれぞれ専門の巻があるのでそれを読むといいかと。

しかし時代を近代以降に限ったことでぐっと見通しが良くなった。日本の近代との対比や、高校の世界史教科書からの引用の検証などもあり、比較的読みやすい本だと思う。

自分の中では、自分が生まれてからの知っていたが、今一つ背景がよくわかっていなかった出来事。中東戦争オイルショックイラン革命アフガニスタン侵攻、イラン-イラク戦争湾岸戦争イラク戦争、IS等が連続的につながったのが大きかった。

これまでいくつか中東関係の本は読んできたが、扱う範囲が狭すぎたり、むしろ広すぎたりして、今一つ良い具合で全体の流れをつかむことができなかった。それができたのは大きい。

やっと中東を知る入口に立てた感がある。