まちカドまぞく

2019年は「まちカドまぞく」の年でした。

原作の時点で、四コマとは思えない濃密な書き込みの美しいイラストと、しっかりしたギャグ。そして何より凄いのは、単行本終盤にかけて恐ろしい勢いで伏線を回収してストーリーとしても面白く、最後に感動してしまうという点ではないでしょうか。

四コマで単行本1巻全体としてストーリーになっている漫画自体は他にもあります。ただ大抵「よくある人情系のいい話」なんですよね。それが悪いわけでもないんですが、ストーリーとしてそれほど面白くもない割に、ギャグにもなりにくいという結構微妙な部分だったりもします。

まちカドはこれまで単なるギャグだと思っていた部分が、実は綿密な設定の中の伏線だったという仕掛けを入れることで、ストーリーに納得感と深みを持たせることに成功している。かなり革新的な構成なのではないかと思っています。

そして待望のアニメ版。書き込みの多い原作のアニメ化の宿命なのですが、アニメと原作との絵の違いは正直公式サイト観た時点では気になってました。

しかし実際に観てみるとそんなことは全く気にならない面白さ。第一話の桃の変身バンクで爆笑し、これがアニメだからこそできることなんだと思いました。

原作の各話の扉絵がオープニングで使われていたり、はみだし部分もアニメ化されていたりと、原作愛溢れる良いアニメ化でした。

そして予想外だったのは「シャミ子が悪いんだよ」の盛り上がりですよね。作家さんが不快な思いをしたのではないかという点は気になりますが、これで興味を持っていただける人がいたらと。

1クールで2巻分消化、もう5巻まで出ているので原作のストックも十分あり、是非とも二期を期待したいところです。