十三機兵防衛圏とゲームの自由度

十三機兵防衛圏が非常に面白かった。Switchは全く手に入らないらしいが、PS4は余裕で入手可能と思うので是非PS4を買ってでもプレイしていただきたい。

本作は感想がものすごく書きにくい。理由はネタバレをどこまでにして書くか難しいから。特に難しいのは、最後だけに大きなネタがあるわけではなく、序盤から幾重にもこれまでの前提を崩壊させるネタが含まれており、その前提の崩壊の連続こそが十三機兵防衛圏の面白さの本質だからである。

そのためここではシナリオには触れずに、システム上の自由度という点に絞って書いてみたい。

本作の特徴は以下である。

  • 1回のパートはだいたい10分くらいの長さで作られている
  • 13人のうち誰のシナリオを進めるかは、パートの終了ごとに、基本的には自由に選択できる
  • パート内の分岐がどれだけあるかは最初から見ることができ、何を選択すればそのルートに行けるかもヒントがある
  • ゲーム全体は実際は一本道に近く、複雑なフラグ立ても周回も不要
  • 横スクロール視点だが、アクション要素は全くなく、効果のあるオブジェクトや行ける場所もわかりやすい
  • バトルパートも強制的に入ることがないが、特定の位置までシナリオを進めると、ある程度バトルを進めないとそれ以上進めない

自分は実のところアドベンチャーゲームはあまり好きでない。

2DのSFアドベンチャーゲームとして現代の代表作ともいえるシュタインズ・ゲートも、シナリオは面白かったが、ゲームとしては苦痛だった。

理由は複雑なフラグ立てと、そのための周回がめんどくさすぎるから。どのアドベンチャーゲームもそうだが、フラグ立てには以前のシナリオから読み取れる論理的必然性がないことが多い。

結果として攻略Wikiを見ながら周回する。初回以外はほとんどのパートをスキップして、新規パートだけを読むことになる。これが面白い人もいるだろうが、自分は苦痛でしかない。

一方で3Dアドベンチャーも自分は苦手で、有効なオブジェクトや行ける場所がよくわからなくてストレスがたまる。この手のもので最後までやったのは人喰いの大鷲トリコくらいだけど、トリコの可愛さは素晴らしいが、正直ストレスも多いゲームだった。

十三機兵防衛圏の良いところは「パートの選択の順番はユーザーに任せる」が「パートのクリアそのものは一本道」なことだと思う。簡単なフラグ立てもあるが、あくまでパート内に閉じている。パートの選択の順番を誤って詰むこともない。

分岐もパートの中に閉じているので、短いパート単位の周回は必要だが、ゲーム全体として周回する必要がない。パート内の分岐もいくつあるかと、どうすればそこに行けるかのヒントがある。

いくつかのパートでは特定の分岐に進むためにやることがわからず悩むこともあったが、ほとんどは悩むことがなかった。

バトルパートの進行もある程度は自由度をもって進められるのも良かった。バトルパートはものすごく難しいというわけではないが、慣れないのもあって結構疲れた。平日はアドベンチャーパートを進めて、休日にバトルパートを進めるというサイクルで攻略していた。

ゲームにおいてよく「自由度」という言葉が使われる。確かに完全に一本道ならゲームというメディアである必要がないだろう。それでいて、攻略サイトを見ないとわからないようなフラグ立てが「自由」なのかというと、それもまた違うような気がする。

ゲームにおける「自由」とは「自分が主体的に選択している」感覚だと思う。攻略サイトを見てのフラグ立てのための周回が「不自由」なのは「自分が主体的に選択している」感覚がないからだ。

その上で、何を選択可能にして、何をあえて選択させないか。この取捨選択という点においても、十三機兵防衛圏は秀逸だと思う。