あしたのひかり

原久路&林ナツミ の作品が別の意味で気になったのでその点についてのみ書く。東京都写真美術館

写真は基本的には5歳くらいから高校生くらいまでの少女の写真である。風景写真との組写真になっているものと、映像加工により、一人の同じ人物が複数人いて、双子のように見えるものがある。プロのモデルではない、地元の子供だそうだ。

性的な写真というわけでは当然ないが、ノースリーブであったり、太ももがそれなりに見える写真については、人によっては性的にとらえることもできるだろう。ただそれは、女子高生の制服であれば、全く普通に着ていてもエロスを感じる的なレベルではある。

ただそれでも思ったのは「これは大丈夫なのか」であった。いわゆる「声かけ写真展」の騒ぎが念頭にあった。そこについては当然かなり神経質な配慮をしており、撮影過程の説明をし、その過程のビデオも流している。

しかし、もしこの写真家が男女のユニットではなく、男性だけだったらこの企画は成立したのだろうか。組み写真でも加工写真でもなく、単に被写体が少女だけの作品だったらどうだろうか。少女を特別な存在としてとらえるキャプションは、「声かけ写真展」のキャプションと本当に本質が異なるのだろうか。

自分はこの写真を児童ポルノだと言いたいわけではない。しかしながら「写真」という形になると、鑑賞者と作品の間には作家の意図せずして、そのような解釈をする人もいるだろう。その間は思ったより曖昧で危ういのではないかという感じがしている。