閃の軌跡4

やっと終わった。これがクリアした人全員の気持ちじゃないでしょうか。この終わった感たるや、自分にとってはシン・エヴァよりもずっと強い安堵の気持ちで溢れています。

全体を通して決していい作品とは言えなかったのですが、それでもエンディングに入ったときは泣いてしまいました。

そんなわけで閃の軌跡4について書いていきます。各キャラクターについては別エントリーで書きます。

バトル

システム的に新しい部分はないのですが、調整はかなり変わったようです。

通常バトルは本作はゲストキャラが異常に多かったのもあり、アーツが固定されたゲストキャラバトルが骨がありました。パンタグリュエル4連戦が辛かった。4連戦と時間もかかるのもあり、これだけは何度か負けて敵のレベルを落として勝ちました。

それ以外の通常戦闘は最終作にも関わらずかなり楽だったように思います。ボス戦も自分ははめ殺しとかはできなかったのですが、辛くなったら防御陣を常に張ればなんとかなるし。ラスボスも時間はかかるものの、1人しか死ななかったような。

機功のフィールドでのEP回復などEP回復手段が多彩なので毎回アーツ打ちまくりでした。アーツが強く調整されたそうですが、A+レベルのアーツでSクラフトと変わらないダメージが出るので、Sクラフトは任意のタイミングに打てる以外にあまり強みがない。肉体系が単なるタンク役になっていました。

一方で今回格段に難しくなったのが騎神戦。これまで騎神戦はボス戦闘の後の余興の消化試合みたいな認識だったのですが、今回はボス戦よりも厳しくなった。リザレクストーンも相克では毎回使っててなくならないかヒヤヒヤしました。お金で買えないからね。全体攻撃連発はどうするのがベストなのかよくわからないです。

まあだからといって騎神戦面白かったのかというと面白くはなかった。騎神戦のアーツはどんな効果があるか編成時に見えるようにしてほしかったですね。回復系が誰にあるのかわからなかった。

敵のギミックも特に新しいものはなかったですね。

シナリオと演出

先にも書きましたがキャラクターの掘り下げは別エントリーで行う予定なので、全体的なシナリオについてだけ書きます。

全4作の4作目ということで、ここまできたら淡々と終わらせにいくしかないですよね。思ったよりも綺麗に終わったという印象です。特に第三部以降は淡々と相克が進みました。アリアンロードがちゃんと終わったのはむしろ意外なくらいでした。

正直呪いとか至宝とか別の世界とかはどうとでも設定できる気がして、あまり関心がないのです。


ボス戦前のセリフが似たような話の繰り返しになるところも、なかなか厳しいところだと思います。

特に本作はほとんどのボスが戦う前にだいたい説得が終わっている。しかし戦うことそのものが目的なので戦わざるを得ないという話をひたすら繰り返します。

正直この単調な制限のなかで、ここまで毎回適切な相手と過去の関係性から会話をきちんと作っている点は、これまでの積み上げの為せるものだと思います。ただそれでも毎回だと感動も失せてしまう。

またパーティメンバ多すぎ問題も会話の単調さに輪をかけています。重要な場ではとにかく全員に一言ずつ話させなければならないという縛りを課していて、しかも全員が10人以上いるので、会話としては全く成立していない。

これが1や3の学園パートであればまだキャラクターの会話としての楽しみがあったし、特に新七組メンバの掛け合いは結構好きだったので、それがほとんど感じられなくなったのは残念ですね。


そして気になったのは真エンド制ですかね。実質的にはバッドエンド後のノーマルエンドという感じですが。自分はノーマルエンドはなくても良かったように思います。閃の軌跡2の二段構えエンディングはまだいいのですが。

個人的にはペルソナ4で真エンドがあることをゲームを売ってかなり経ってから知って後悔したこともあり、重要なシナリオを知るのに特殊な条件が必要な真エンド制は好きではないのです。テイルスやアトリエであるようなやりこみエンドはあってもいいのではと思いますが。

自分は極力攻略Wikiを見ないでやりたい派ではあるのですが、今回は真エンドがあるということだけは知っていたので、なるべくネタバレを見ないでなおかつ真エンド条件だけを調べるということをやらざるを得なかったです。そうしないと救済措置があるかどうかもわからないですし、絶対に二周目はやりたくないですから。


一方で真エンドのエンディング、特にスタッフロールのイラストは本当に素晴らしかったと思います。この結婚式を普通に3Dキャラでやる案もあったと思いますけど、この素晴らしいイラストだからこそ、いろんなことがプレイヤーの心の中で振り返ることができた。

特別な席だからこそ、みんなが普段の戦いのときとは全く違う姿を見せているところが、本当に平和になったのだと実感できる。特に旧七組の女性陣がみんな大人の綺麗な女性になったなという感じで感動しました。

エンディングにイラストというのはゲームでは結構よくあると思うのですが、今までやってきたどんなゲームのエンディングよりも、このイラストは素晴らしかったと思います。

キャラクター

書きたいことが多いのでエントリを分けました。やっぱり軌跡はキャラゲーだと思うので、キャラクター単位だと結構書きたいことがあります。まあ特に男性キャラに関心低いのがわかりやすいですが。

終わりに

そもそも企画の時点で他社を見ても前代未聞なのではないでしょうか。フルプライス、各80時間くらいはクリアにかかるゲームを、前作をやらないと実質的に次作ができないという制限で全4作で5年間にわけて発売する。

過去にもともと意図してやったわけではないが、結果的に長すぎて前後編になってしまった空の軌跡。それで前後編という仕組みがそれなりに受け入れられたという下地はありました。

しかし先が気になって次を買う期待はある一方、第一作をやらなかった人を超えてその後の作品は売れないというリスクがある。この賭けにファルコムは勝ったのかというと微妙なところだと思います。

それなりに安定して売り上げはあったようですが、軌跡シリーズの信頼感を落としたという評価も非常に多い。チャレンジとしては評価できるが、今後も同じことをすることはさすがに難しいのではと思います。

とにかくにも作ってくれた人々、キャラクター達、そして空FS、零碧、閃の軌跡の8作品をやり終えた自分にもお疲れ様と言いたいですね。