2021年 良かったもの: 書籍編

書籍編です。今年はシリーズものを1冊として23冊読んでますね。

昨年からある読書会に参加してましたが、結局参加しなくなってしまいました。それによって冊数が減ったのもあります。理由はいくつかあるんですが、まあどういう感じかわかったし、読みたい本を読む時間がなくなるし、無理に参加しなくてもいいかなと。

天冥の標 1-6

まだ全10巻のうち6巻までしか読んでないのですが面白いです。昨年の日本SF大賞だそうですが、この壮大なパンデミックものの最終巻がまさかコロナの前年に完結しようとは。

続き物ではあるのですが、1巻ごとに作品の雰囲気がガラッと変わるのが面白いですね。最後まで読んでからまた感想を書きたいと思います。

現代アートとは何か

現代アートとは何か - yamak's diary
現代アートについて非常に多彩な視点から描かれている本。現代美術は金持ちの自己満足でもあり、炭鉱のカナリアでもあるのですが、いずれの視点からも丁寧に書かれています。

正直現代アートを全く知らない人が読んでもあまり意味ないと思いますが、多少興味のある人なら読んで損はないかと。最後の現代美術の見方だけ独立して、もう少し丁寧に書いて新書とかにすれば売れそう。

コミュニケーション不全症候群

コミュニケーション不全症候群 - yamak's diary
中島梓がJUNEについて批評するというそれだけでわかる人には刺さる本です。

現代のアニメがこれだけカジュアルに消費される時代においても、オタクのイメージの原型として宮崎勉の亡霊は今も生き続けています。そのことを再度意識するにもいい本だと思います。

母性のディストピア

母性のディストピア - yamak's diary
この本を読んだ後に「動物化するポストモダン」「物語消費論」等の現代のオタク文化批評の基礎文献的な本をいくつか読みました。

論壇においてコンテキストを引き継いだうえでの「批評」というのは、過去の批評家と同じ視点、結局は戦争と天皇に触れないといけない。

一方でそこに囚われることが、批評が現代において意味を成すことが難しい原因になっているのではないかと感じました。

テクノロジーの世界経済史

テクノロジーの世界経済史 - yamak's diary
20世紀は人類史にとって奇跡のような非連続的な成長をしたことは間違いない。それが21世紀も続くのかについては意見がわかれるところですが、さらなる非連続な成長は起きないというのではないかと自分は思います。

その上で、テクノロジーと雇用という問題においても単純な二元論でなく、過去の事例に基づいて議論を行うことが重要でそのための前提としていい本ではないかと。

復活の日

復活の日 - yamak's diary
昨年の年末から年初のまさにパンデミックの広がる時期にこの本読んだんですよね。もちろん現実のコロナとは全く異なるんだけど、笑えない部分も結構あったりするわけで。小松左京凄いなという感じ。

あと雰囲気SFではなくてエンターテイメントとしてきちんとドラマもオチも用意してくれるところがさすがだなと。