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ちはやふる 上の句/下の句

ちはやふるの上の句/下の句を観てきた。予想を超える感動というわけではないけど、丁寧に作られたいい作品だった。

上の句も下の句もそうだけど、ストーリーの流れだけを見ると目新しい部分は全くない。上の句は「スウィングガールズ」のような文系スポコンものの流れそのまんまだし、下の句はクールで孤独なライバルに仲間で挑むというこれまた定番の展開。

それでも飽きずに見られるのは、一つは競技かるたという素材の新鮮さをきちんと映像化した点。二つ目は役者がしっかりしていて安心して観られる点。三つ目は前後編を生かした下の句のストーリーの丁寧さだと思う。


競技かるたの映像については、ハイスピードカメラの迫力もあるが、メインテーマとなる音楽が映像のスピード感と切れ味に非常に合っているのも大きい。CGによる凝った演出もあるが、上の句では使用したものの、何度もやると飽きるので下の句では使用しなかったのもいい判断だと思う。

あと袴も上の句ではメインの団体戦で使ったけど、下の句ではほとんど使用しない。クイーンがTシャツなのに千早が袴だと明らかにおかしいので、この点も的確だと思う。しかし下の句はヒロインの衣装が制服とTシャツ+ジャージしかほぼない。ファッション的な花のなさという意味で凄い。


役者については邦画の若い役者だと演技の良し悪し以前に、正直観ていてつらいレベルもあるのでそれはなく安心できた。

この映画を見た理由は単に広瀬すずの袴姿がかわいいからなんだけど、意外だったのが、千早としての広瀬すずにはまったく萌えなかった点。いい意味で顔はかわいいけど女子としては残念を完璧にやりきった感がある。

萌えという意味ではクイーンで自分は大満足したので文句はないです。男性だと肉まん君が非常にいい。


前後編というのは最近邦画で増えてきたが、興行収入の無理のある増やし方として結構非難があるようだ。しかしこの映画はその点を非常にうまく生かしている。

先に述べたように上の句で人物紹介と競技かるたの映像的魅力を伝えたので、下の句はひたすら人間ドラマに徹した展開。個人的にはドSの須藤さんと千早の展開が良かった。あと新に千早がかける電話の使い方はすばらしい。

いろんなものが中途半端で終わるのでその点に不満な意見もあるようだが、自分はあの余韻のある終わり方が好きだ。単純にみんな揃ってライバルを倒しましたよりもはるかに良い終りかただと思う。まあ続編作られるらしいけど。


前後編、テレビ局制作、漫画原作というと最近の観る前からダメな3点セットみたいになっているが、いい映画ができてきたのは素直にいいことだと思う。