マーク・マンダースの不在

彫刻を作っている何かの不在を作り出す展覧会。東京都現代美術館。現代彫刻において重要なのは素材と形状だと思う。まあ現代でなくても彫刻はそうなのだけれど、素材と形状に対する制約が現代においては飛躍的に解放されたからこそ、なぜその素材であるかと…

関数型とオブジェクト指向は対立するか

よくある関数型とオブジェクト指向は対立するか論についても、自分なりの考えは持つことができた。結論としては対立どころか同じことができる。この話で"関数型"と言ったときに、昔ながらのC言語の世界をイメージする人と、Haskell等のモダンな純粋関数型言…

入門Haskellプログラミング

入門Haskellプログラミング作者:Will Kurt発売日: 2019/07/31メディア: Kindle版関数型の影響をうけた言語機能の元々の意味を知るには良いと思う。関数型プログラミングブームのようなものが始まったのは2010年頃からだろうか。Scalaが注目されだしたころか…

ノマドランド

これは未来のしまりんの物語なのかもしれない。アメリカ高齢者の貧困とかアマゾンの搾取とかそういう文脈で取り上げられることが多いように思う本作だが、少なくとも映画だけ観た印象はかなり異なる。もちろん元となったルポはそういう文脈なのだと思うが、…

母性のディストピア

母性のディストピア (集英社文芸単行本)作者:宇野常寛発売日: 2017/11/24メディア: Kindle版物語の解釈や時代の分析は面白い部分があった。しかし結局最後は俺だけを信じろ感がある。評論の書籍というのは基本的に敷居が高い。特定の作品のレビューであれば…

プリンセス・プリンシパル

プリンセス・プリンシパルは「苦いチョコレート」なのだと思う。本作を最終話まで観て感想を書こうと思って悩んでしまった。架空のロンドンを舞台としてスチームパンクとして練りこまれた世界観、丁寧に作られたシナリオ、そしてキャラクターの魅力はもちろ…

土門拳×藤森武写真展 みちのくの仏像

写真の構図によって実物を見るより仏像に親しみが持てるようになった。八王子市夢美術館。自分は仏像ガチ勢というわけではない。仏像を観ることを目的として旅行に行ったりはしない。せいぜい展覧会に行ったり、行った先の寺にあったら観たりという程度であ…

エヴァンゲリオン新劇場版 全体

シン・エヴァンゲリオン劇場版 作品単独については以下に書いたので、新劇場版全体について別に書く。 シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| - yamak's diary新劇場版全体の大きな物語構造を改めて考え直してみると、「エヴァを終わらせる」という目的のために実…

シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

すべてのエヴァを愛してくれた人へ、ありがとう。という話なのだと思う。自分は一応TV版、旧劇、新劇と全部観てはいるが、正直そこまでエヴァに対する思い入れがあるわけではない。TV版も大学生のころに1回観たきりで再度観たことはない。キャラクターについ…

澤田知子 狐の嫁いり

この美術展の全ての写真は同じ情報量しかない。東京都写真美術館。澤田知子と言えばセルフポートレイトの写真ではあるが、他の写真もそれなりにあったような気がする。しかしこの展覧会は見事にセルフポートレートのみの展覧会で圧巻である。話は変わるが、…

うらら迷路帖 アニメ版

全体のバランスが非常に優れた傑作だった。これまで自分が観た日常系アニメの中で、1クールの完成度としてはトップかもしれない。なお原作は未読でアニメ全話観てから読むつもりだったのでこれから読む。「萌えアニメ」は好きだが「日常系」は退屈という人は…

テクノロジーの世界経済史

テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス作者:カール・B・フレイ発売日: 2020/09/18メディア: Kindle版テクノロジーは生産性を向上させるのか雇用を奪うのか問題に対して、過去の歴史から考察できる本。『「今回はちがう」ことを示すデータはな…

ガメラ2 レギオン襲来 4K HDR上映

改めて観てもSFとして、映像作品として、そしてエンターテイメントとして良くできているなと。自分は特別に怪獣映画に思い入れがあるわけでもないのだが、学生の頃の友人の影響で平成ゴジラシリーズはだいたい見ていたように思う。とはいえ日本のSF映画とい…

機動警察パトレイバー2 the Movie 4DX上映

今観ても傑作だと思う。押井守で一番好きなのはやはりこの作品かも。劇場公開時に観ていて、その後も何度かレンタルで観ている作品。4DX版の上映ということで、映画館で観るいい機会なので再度観てみた。10年ぶりくらいに観たかも。機動警察パトレイバー the…

プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章

映画版と言われると若干物足りなさもありますが、全六章の第一話としてなら十分に満足できます。ノベルティはベアトリスでした。かわいい。実はまだアニメ版5話までしか観ておらず、後半のネタバレがあるのではないかと観るのを悩んでいましたが、結局初日に…

フェミニストが嫌いな理由

私はフェミニストが嫌いだ。正確に言うと特定の誰かが嫌いというわけではなく、フェミニストの主張の中には同意できる部分もある一方で、どうしても同意しがたい主張もある。これについて一度自分自身の言葉でまとめてみることが必要なのではと考えた。なお…

没後70年 吉田博展

明治以降の日本美術の流れでこういうのもあったのかという驚きがあった。東京都美術館。 www.tobikan.jp東京都美術館でやるには地味というか、東京ステーションギャラリーとか世田谷美術館でやりそうな作家である。コロナの影響で海外物の大型展覧会が召致で…

スロスタ8巻 億さん過去話について

スロスタ8巻を最後まで読んだ。花名ちゃんがついにの巻である。この物語は当然感動したのだが、その理由として億さん過去話が物語として非常にうまいと思ったので、そこについて書いてみたい。当然8巻のネタバレ有りなので、見たくない人はこれ以上読まない…

魔法少女なんてもういいですから。

魔法少女なんてもういいですから。 1 (アース・スターコミックス)作者:双見 酔発売日: 2016/02/12メディア: Kindle版アニメのほうは以前書いたけど、漫画版を読んだらまた別の面白さがあったので。基本的な要素はアニメ版も漫画版も変わらないです。ゆずかが…

千葉正也個展

久しぶりにこういう方法論があるのかという新鮮さを味わった。東京オペラシティアートギャラリー 今更なのだが現代美術において絵画は難しいと思う。これだけインスタレーションや彫刻が自由な時代において、あえて平面の絵画で表現すべきものは何なんだろう…

復活の日

復活の日 (角川文庫)作者:小松 左京発売日: 2018/08/24メディア: Kindle版まさに今読むのが最高に面白い本。この本の説明をするとその理由はすぐにわかります。日本沈没で有名な日本SF界の巨匠、小松左京の代表作の一つで、テーマがウイルスで滅亡する世界で…

阪本トクロウ デイリーライブス

阪本トクロウ|デイリーライブス | 武蔵野市立吉祥寺美術館自分は美術展で「良い作品」にはたまに巡り合うが、「わかる」という強い共感を覚える作品というのはほとんどない。本展は久しぶりに「わかる」感を覚えた展覧会だった。写真を撮るときに妙に空の領…

鬼滅の刃 アニメ版

全話観た。つまらなくはないけど、国民的人気作となるほど面白いのかはよくわからない。いわゆるメガヒットというのは既存のヒットの原則とは異なるというのは多くの人が知っているのではないだろうか。これはコンテンツでもサービスでも同じだ。イノベーシ…

ふりだしにおちる! / 先パイがお呼びです!

ふりだしにおちる!(1) (電撃コミックスNEXT)作者:むっしゅ発売日: 2018/07/26メディア: Kindle版先パイがお呼びです! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)作者:むっしゅ発売日: 2018/12/29メディア: Kindle版2作品まとめてですが、2020年新規に知った作家で最…

2020年良かったもの: マンガ編

もう2021年になってしまいましたがこれで最後です。昨年アニメを観て原作を読んだものはアニメ編に含めています。こっちはアニメ化されていないマンガのみ。基準としては2020年に自分が第一巻を読んだ漫画です。 ふりだしにおちる! / 先パイがお呼びです! ふ…

2020年良かったもの: アニメ編

2020年良かったものアニメ編です。原作漫画を読んでるものはそれも含みます。自分が2020年に全話視聴完了したアニメになっており、2020年に放映されたアニメではありません。これだけで長くなったので、アニメのない漫画は別エントリにします。2020年は自分…

2020年良かったもの: 書籍編

2020年の良かったもの書籍編です。今年読んだ本ですがシリーズ物はまとめて1冊として数えると30冊くらい。少ないですが、読むのが重い本もあったしこんなもんかと。8月からTwitterに読んだ本はほぼ全部何か書いています。 https://twitter.com/yamak_book今…

2020年良かったもの: 美術編

今年も誰も期待してないけど良かったものやります。美術編から。今年は本当にいろいろあったんでですが、個人的には美術展の感想用Twitterアカウントを別にしたのが変わった点ですかね。今年観た展覧会はほぼ全部書いてます。旅行先で観たのとか常設展とかは…

ごちうさは世界

「ごちうさらしさ」とは「世界」ではないかと思うのですよ。もちろんキャラが可愛いとかそういうのはありますよ。でも他のきらら作品と比べて「ごちうさらしさ」とは何だろうと考えたうえでの自分の考えです。ごちうさの舞台の街というのはヨーロッパのどこ…

安達としまむら アニメ版

アニメーション演出という意味では傑作だと思う。ただ物語という意味では好みが分かれる部分はありそう。いろいろ思うところの多い作品である。放映中に何故か2回もブログを書いてしまった本作だが、最終回は意外と淡々と観てしまった。良くも悪くもこれまで…