たまこラブストーリー

たまこのリアリティをどうとったらいいかが難しい。

"たまこまーけっと"が非常に面白かったので、映画版である"たまこラブストーリー"も観ないとと思っていたが、今回やっとちゃんと観た。

特にギャグが中心の物語の場合、人物のリアリティをどの辺にとるかというのは結構難しいと思う。高校生どころか中学生でもそんなバカな子はいないというのは普通だ。きらら系であれば中高生でも男女の恋愛の話がないのはおかしい。

とはいえそこにリアリティを求められているわけではない。現実とは違っていても面白ければいいのだ。

しかしそのリアリティのレベルが一人のキャラクターの中で突然変わると視聴者は混乱する。これまで見た目は高校生でも思考や感情表現は小学生くらいだと思っていたキャラクターが、いきなり大人の思考になるとわけがわからなくなる。

たまこまーけっとでは、現実寄りなのがみどり、史織、ギャグ寄りなのがたまことかんなだと思っている。もち蔵も現実寄りだ。おっぱい餅とか言えるのはたまこだからで、みどりちゃんが言うとおかしい。いやおっぱい餅はさすがにたまこでもどうかと思ったけど。

たまこまーけっとでも普通に男女の恋愛の話はあるので、別にタブーというわけではない。だけどそれは現実側のみどりちゃんともち蔵だから違和感がないわけで、ギャグ側のたまこに恋愛の話が降ってくると、どこにたまこのリアリティを置けばいいのかわからなくなってくる。

だからもち蔵の告白までとその後の苦悩、もち蔵に密かに思いを寄せるみどりちゃんが、たまこに少し嫉妬しながらも応援する微妙な気持ちについては感情移入できたが、たまこだけはどう感情移したらいいのかよくわからなかった。

最後のみどりちゃんの嘘についても、みどりちゃんの物語として必要だったことは理解できるが、せっかくもち蔵に応えることを決心したたまこの勇気が無駄になったようで微妙な感じがした。

そう考えると、実ははこれはたまこでなくてみどりちゃんの物語なのかもしれない。みどりちゃん本当に可愛いよね。俺もみどりちゃんに叱られたい。