明日ちゃんのセーラー服

圧倒的な映像による日常系アニメの革命だったと思う。

本作は実のところストーリーが凝っているわけでもなければ、心理描写が優れているわけでも、ギャグが面白いわけでもない。もちろんそういう要素はあるけれど、そこが一番の特色というわけではない。

本作は「女子中学生の制服と身体」の映像に対して、他の作品ではありえないほどの圧倒的なクオリティと物量を投入して作成されている。その映像の力にとにかく圧倒される。絵が描けること、動くことって凄いと素直に思う。

その象徴と言えるのがオープニング映像である。オープニング映像が好きなら間違いなく観るべきで、ピンと来ないなら観る必要はない。

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アニメーションとしての表現に優れているという意味では他にもいろんな作品がある。その描写の対象は自然や、過去や、非現実や、戦闘や、ダンスであったりする。

しかし「女子中学生の制服と身体」といういろんな意味で難しい表現を、純粋に性的な目的でないコンテンツで突き詰めるということは今までなかったのではないか。

こういう独特な雰囲気をもつテレビアニメは、だいたい3話くらいまではその雰囲気で引っ張れるのだが、それ以降は趣味や恋愛等のわかりやすい要素をキーに動くことが多いように思う。しかし本作は最終話までこれをやり切ったのが素晴らしい。


キャラクターもクラス全員16名が出るのでかなり多いのだが、終盤になると名前だけでその性格が浮かぶようになってくるのは凄い。明日ちゃんが一人ずつ攻略..もとい仲良くなっていく構成というのが良かったと思う。

性格は比較的皆漫画的で、リアリティを求める方向ではない。一方で太めなのがコンプレックスの四条さんは納得感のある体形で描かれており、そのあたりはちゃんとしてると思う。

単純に自分の好みだと、本作だと運動部系のキャラクターがクールで好きだったりする。水上さん、戸鹿野さん、苗代さんが良い。苗代さんは原作の都合だと思うけどほぼ見せ場なかったのが残念。鷲尾さんは花緒との絡みがほっこりした。


NETFLIX的なワールドワイドとは全く逆方向に突き進んだ日本アニメの極北ではないだろうか。嫌いな人も多いのは理解できるが、自分自身は絶賛したい。