お兄ちゃんはおしまい!

OPのエロさとは裏腹に、意外と丁寧に作られていたと思う。

"美少女アニメ"と言えば可愛い女の子がたくさん出てくるアニメであり、興味のない人から見たらみんな同じに見えるし、それを嬉々として観ているオタクはみんなキモイのはわかっている。まあそれはいい。

しかしそこに求めるものというのは結構人によって違いがある。男性主人公によるハーレム展開がありかどうかは大きい。エロについてもどこまでならいいかは結構違う。恋愛でも男女の恋愛のありなし、百合のありなし、セックス描写まであっていいかはまた人によると思う。

自分はハーレム展開は受け付けない。エロはあってもいいけど、エロに寄りすぎたものは好きではない。恋愛は男女でも百合でもあってもかまわないが、それがメインの要素だと観なくなってしまう。

エロに関しては紳士ぶってると思われるかもしれないが、別にそうではない。エロ用のコンテンツと、日常系として楽しみたいコンテンツをわけたいだけである。とはいえ日常系のキャラでエロいことを考えないわけでは当然ない。

そんなわけで"おにまい"である。本作はダメニートひきこもりお兄ちゃんが女子中学生になってしまう男女入れ替わりものである。自分は初めて知ったけど一般にはTSというらしい。あの国民的映画「君の名は。」もTSと言えばそうだ。

原作は全然知らなかったので、最初来期のアニメを調べているときに設定だけ聞いて「これは観なくていいな」と思っていた。この設定はエロに走りがちだし、前クールの「4人はそれぞれウソをつく」も実は男性の翼だけはどうも好きになれなかった。

とは言え今期は他に観るアニメも少なく、知り合いが強く推していたので観てみることにした。意外と観やすいというのが感想だった。

観やすい理由としては、オープニングがエロに走っている割には、そこまでエロを強調したコンテンツでもない。女性でも安心して観られるコンテンツとはとても言い難いが、普通の日常系アニメレベルだと思う。

もう一つが「男バレすることを回避する」話ではないことだと思う。まひろは薬で体も完全に女性になってしまい、物語中はずっとそのまま女性で変わらない。女装していたり、何かのきっかけで男女が物語中で何度も入れ替わる話ではない。

どちらかというと異世界転生に近い話のように思う。男性にとっては女子の世界は異世界だ。特に前半の中学校に行くまではその傾向が強くて、本作独自の面白さがあった。

怒られることをわかって言うなら、生理の話とかは性教育的な面で評価できる部分もあるのではないか。教育的な文脈で言われても聞く人は限られるだろう。女性からは受け入れ難いであろうが、オタクコンテンツの中であることで届く部分もあるのではないだろうか。

中学校編になってからは本作のオリジナリティという意味では少し薄れて、普通の日常系という感じになったが、まあネタとしても続かないだろうしこれはこれで楽しく観ることができた。

本作の中学校の制服は美少女アニメにしては珍しくスカートが長い。高校生ギャルであるかえでちゃんだけはミニスカなのだけれど、このあたりも丁寧に作られているように思う。

なお本作の自分の推しはみはりちゃんである。自分は妹と姉なら迷うことなく姉キャラを選ぶのだが、みはりちゃんは妹なのに属性が姉である。強すぎる。前半は白衣が多かったが後半は私服も増えたように思い満足。

もみじちゃんも普通の反応する素直な子で好きです。みよみよはこういうおっとり系女子は巨乳設定なくても好きです。まひろちゃんはどうしても中身男って思うんだよな。

ところで現在アラフィフのおっさんである女子中学生になったらどうなるだろうか。コミュ障は治らないから女子の世界のほうが生きづらいかもしれない。結局陰キャ底辺女子になりそう。