あいうら

Web発だからできたのではないかと思われる、ポストあずまんが大王あいうら全7巻読み終わりました。久しぶりに読み終わるのが勿体なく思った面白い作品でした。

例によって女子高生がわちゃわちゃするだけの日常系4コマなのですが、"あいうら"の凄いのはそれ以外の特殊な要素のなさが徹底されていること。

部活もなければ特別な設定のキャラもいない。ギャグも特にマニアックな方向というわけでもなく、エロも百合もほとんどありません。

絵も萌え系でも、エロ系でも、おしゃれ系でもなく、すっきりとした誰にでも好かれそうな絵柄。それでいて可愛さのポイントはきちんと押さえられています。

特徴がないと言えばそうですが、だからこそ純粋にキャラクターの言動や行動の可愛さが生きてくる感じがします。

同じような作品としてはあずまんが大王が思い出されます。萌え4コマブームの火付け役ではありますが、その後のきらら系と比べると、特に絵柄で萌えという感じはあまりしないですね。

本作はもともと2011年頃のニコニコ静画の連載から始まったそうです。このころは既にけいおん!ブームの後。雑誌連載ではこれだけ"特徴のない"4コマは企画として成立しなかったのではないかと思います。

Webの個人としての連載から純粋に作品の力で人気が出て、雑誌連載になって単行本が出てアニメ化もされる。自分はニコニコ文化には全く詳しくないのですが、その文化がうまく作用してヒットを作り出した例なのではないかと思います。


分析はここで終わって単に好きなキャラの話をします。自分は日常系漫画はウザ系のボケキャラがいかに可愛いかが重要だと思ってます。本当にウザいと読んでてつらいですよね。

カナカナはその点非常にポイント高いウザ可愛いところを突いてきてると思います。実はスタイルいいと思ってたら、モデルになる展開のウザ可愛さは素晴らしいですね。

あとはやはりやなんちょですね。典型的な委員長キャラですが、典型的な委員長キャラ大好きです。実は野球好きな設定もいい。まあ自分は野球観ないけど、マニアックなところが好感度高すぎです。

そこまで人気ないかと思ってたら、公式の人気投票では普通に3位で上がメインのサキとアユなので、サブキャラではトップ。作中でも唯一告白されてたしな。

また唯一の飛び道具設定キャラとも言えるミスズちゃんですかね。あずまんがのちよちゃんが幼女高校生なのに対して、アラサー童顔高校生コスプレというのはある意味逆方向のアプローチとも言えます。

普通にモテそうな気がするけど、理想が二次元だから結婚できないのが妙にリアルなのか。

キャラは結構多いのですが、いかにも人気取り用の見た目が可愛いだけのキャラはいなくて、どの子もキャラクターがちゃんと作られていて見せ場があって良いです。受験編のまさかのマナックス大活躍とか。


そこまで人気作というわけでもないように思いますが。日常系漫画が好きなら是非原作を読んでみることをお勧めします。