魔女の旅々

今年読んだ本について書こうかと思いましたが、正直今年は面白い本がほとんどなかったんですよ。ノンフィクションもフィクションも読むのに疲れてしまって。鉄板だった塩野七生の本すらつらい。SFもいくつか読んだけどつらい。

学びとかなくていいんでとにかく読んで楽しい本はないかと思っていました。いや本読まなくてもいいんだけど、電車に乗ってるときとかは暇なので。その中で今年最も良く読んだのが"魔女の旅々"でした。

アニメ版は好きで、アニメ観終わった後で1巻も読んだんですが、そこまではまる感じでもなかったです。まあラノベだなという感じで。しかし今2巻以降も読んでみたら、これは読みやすいし普通に面白いなと。

本作が自分に合っているのは、日常系アニメと似た部分はあると思います。短編集なので過度に大きな物語にならない。可愛い女の子しか出てこない。恋愛が話のメインになることもない。コメディ部分が多い等です。

一方でストーリーはかなりしっかりしています。内容はかなり振れ幅が大きいのですが、バカバカしいコメディあり、ちょっと残酷で悲しい話もあり、メタ的な話もありと、毎回話の仕掛けのレベルは非常に高いです。今10巻まで読んでいるのですが、マンネリ感がないのが凄い。

作者が男性なのもあって、良くも悪くもキャラはテンプレな感じがするので、女性特有の心の機微とかそういうものを求める人に合わないです。文体も「ふむふむ」とか地の分で出ているいかにもラノベという感じで。とはいえそこに抵抗がなければ普通に楽しめると思います。