ギリシャ旅行記: ロードス

次はロードス島です。ロードス島と言っても水野良は関係ありません。自分は塩野七生の著作をそこそこ読んでいまして、コロナ禍の2021-2022中に、"ギリシャ人の物語"、"十字軍物語"、"ローマ亡き後の地中海世界"、"ロードス島攻防記"を読んでいます。このうちギリシャ人の物語以外の3作に出てくるのがこのロードス島なわけです。

十字軍物語で出てきた聖ヨハネ騎士団という騎士団がありまして、この騎士団がエルサレムからイスラム教徒に追い出されて、次に拠点とするのがこのロードス島になります。ここで約200年にわたりイスラム教相手に海賊...もとい聖戦を繰り広げるのです。そしてついにロードスからも追い出されてしまう話が"ロードス島攻防記"になります。著作としてはこれが最も早いのですが。

ちなみに"ロードス島戦記"のほうはコンプティークのリプレイをリアルタイムで読んでいます。塩野七生の"ロードス島攻防記"の方は出版が1985年、"ロードス島戦記"のリプレイの掲載は1986年ということで、グループSNEメンバが"ロードス島攻防記"の方を読んで名前を使った可能性もあります。いやまさかそそれがここまで有名になろうとは。

まあアテネは都市で遺跡ばかりだし、せっかくなのでエーゲ海の島に行きたかったというのももちろんあります。

そんなわけでロードスの街の旧市街です。入ってすぐに通るのが騎士団通りです。ここはかつての各国の騎士団の詰め所があった場所らしく、ここだけは昔のまま残っているのが素晴らしいです。

まあここ以外はほとんどが土産物屋やレストランではあるのですが。


この先にあるのがメインの騎士団長の館です。豪華絢爛な貴族の住居というよりも常に臨戦態勢の防衛拠点という感じで質実剛健。とはいえかつてはムッソリーニの別荘になったりもしたそうです。
個人的には城壁が堀も含めて非常に良い状態で残っていることに感動しました。他のヨーロッパの都市と同じく、ロードスも城の中に街があります。そのため城と言った場合は、城主が入る建物と、町全体を囲む城壁との2種類が存在します。旧市街と呼ばれるものは基本的にこの町全体の城壁の中の都市を指します。
自分もヨーロッパの都市は多少は行きましたが、城主が入る建物のほうはどこでも良く残っています。一方で町全体を囲む城壁のほうは、現在の街が大都市であるほど残っていません。城壁そのものはあっても一部でしかなかったり、堀は埋め立てられて建物が建っていることがほとんどです。城壁も堀も役に立たない時代になったのだから当たり前です。

ロードスも新市街はあるのですが、観光都市だけにその価値についてよくわかっていたのか城壁や砦や堀が非常に良く残っています。城壁も一部だけではなく全てが残っています。

西洋の城と言ったときに思い浮かべる城は人それぞれだと思いますが、特にガチの攻城戦に使われるような城を観たいという人は、このロードスに来るのは意外とおススメかもしれません。もちろん"ロードス島攻防記"は読んでおきましょう。