ギリシャ旅行記: 国立考古学博物館

国立考古学博物館は当然行きますよね。こちらは予約は不要ですが、開館時間はきちんと調べたほうがいいです。自分は前日になって調べたのですが、午後からしか空いていませんでした。そしてこれも30分くらい並びました。

また国立考古学博物館の近辺については治安が悪いので裏通りには入らないようにとギリシャ日本大使館が警告しています。ビクトリア駅から大通りを歩いていく分には特に問題なかったですが。

コレクションはやはり彫刻のコレクションが圧巻です。年代順に置いてあるのですが、確かに古典期が最も神々しさと人間らしさの中間的な魅力がある感じがします。その前のアルカイック期になるといかにも宗教的という感じで、ヘレニズム期になるとうまくはなるものの、人間らしすぎる。その中間であることが、古典期の魅力なのだと思いました。
意外と面白かったのが2階の陶器のコレクションです。陶器そのものにはそれほど興味がなかったのですが、これを絵画として観てみると非常に面白い。通常の意味での絵画というのはこの頃のものはレリーフでしか残っていないので、数も少なく制作のハードルが高い。一方で陶器は日常生活のため大量に作られるので、テーマも日常に根差したものが多く、当時の生活が想像できます。

これも建築と似た感想ですが、現代にまで続く美の標準的な基準である「現実を忠実に模している」ことが、ここから始まったということには感慨を覚えます。

今ではあまりにも当たり前すぎることですが、信仰の対象である神の似姿作ることが目的である古代においては、どの地域においてもそれは当たり前ではなかった。神が人間らしいギリシャだったからこそ、神の似姿も人間らしくありえたのだと思います。