小松美羽展


絵画そのものの力に圧倒された。

小松美羽という作家は知らなかった。単純に展覧会の検索サイトで曼荼羅の絵にピンとくるものがあったので行ってみた。結構人がいて珍しく予約の確認までしていたので、テレビで放映されたとかあったのかもしれない。もしかしてTAROMANなんだろうか。

とにかく絵の力が強い。メインビジュアルの曼荼羅の絵はどちらかというとおとなしい方で、写真の絵のような強いインパクトの絵のほうが多い。

細かい描き込みや鮮やかな色はあるが、アウトサイダーアート的な狂気よりも、むしろ非常に計算された形と色に見える。説明文に書かれているエピソードはかなりスピリチュアル寄りな部分もあるが、絵画のタイトルは結構笑えるものもあったりする。

動物がモチーフになっていることによるわかりやすさもあるかもしれない。絵の方向は異なるが、鴻池朋子に似た部分を少し感じた。

現代アートにおいてあえて絵画であるということはどういう意味を持つのか。イラストではなくて絵画であるというのはどういうことなのか。AIが機械学習で神絵師になれる時代に人が描く意味があるのか。

そういう疑問に答えるのは、何よりも絵の力だと思うし、この展覧会にはそれがあると思う。