今年も誰も期待してないけど良かったものやります。美術編から。
今年は本当にいろいろあったんでですが、個人的には美術展の感想用Twitterアカウントを別にしたのが変わった点ですかね。今年観た展覧会はほぼ全部書いてます。旅行先で観たのとか常設展とかは書いてないけど。
https://twitter.com/yamak_art
いままでもプライベートに記載してはいたんですが、結構Twitterにも書くようになって、まあ全部Twitterでいいかと。本アカは日常系アニメの話とかが多く、観る人もアニメと美術で全然違うと思うのでわけました。
美術感想専用のTLにすればフォロワーも増えるのではと淡い期待もありましたが、別にそんなことはなかった。でもいいねとかは結構もらったので感謝しています。Twitterに書くとそこで満足してブログに書かなくなることは最近増えた気がしますが。
あとはコロナの影響ですね。多くの美術館が4-5月は休館になり、その後も時間指定制になる美術館が増えました。映画等と違って時間を気にせずに気軽に行ける良さが失われたのは残念ですが、仕方ないですね。コロナ後は時間指定制をどうするのかは気になります。
Twitterから今年の展覧会鑑賞数を数えると50回観ていました。コロナで2か月くらい全く行ってなかったことを考えるとそこそこ観てますね。数日感動がおさまらないほどの感動とかはなかったのですが、振り返ると結構印象深い展覧会も多かったです。作品より企画の面白い展覧会が多かったかも。
選別すると意外と多かったので10展を選びました。美術館も全部別でバランスがいいですね。
白髪一雄展 東京オペラシティアートギャラリー
Twitterに写真貼ってるけど全然白髪一雄の勢いがわからんよね。
なんというか厨二的と言ってもいいカッコよさというか。
今だと衒いや自虐や笑いを経由しないとできないよな。
白髪一雄展 東京オペラシティアートギャラリー
— やまけー美術評 (@yamak_art) 2020年1月26日
抽象絵画が苦手な人は多いけど
白髪一雄のカッコよさは結構誰でも感じられるのではないか
身長より大きなキャンバスにおける力強い色と形
"天空星急先鋒"等の水滸伝から採られたタイトル
ある意味少年漫画的なカッコよさを素直に感じればいいと思う pic.twitter.com/u7FEMQpfz1
澄川喜一展 そりとむくり 横浜美術館
横浜美術館は無難な展覧会と、マニアックな展覧会の差が激しいですよね。
渋いけどいい展覧会でした。木の彫刻はやはり良い。
yamak.hatenablog.com
狩野派 ─画壇を制した眼と手 出光美術館
企画力と学識と収蔵品の厚みあっての展覧会。
正直自分も狩野派名前だけ知っててもなにも知らなかったんだと思いました。
yamak.hatenablog.com
ピーター・ドイグ展 東京国立近代美術館
全部の中で唯一の外国人作家の個展となりました。
そもそもコロナの影響で海外からの作品の搬入そのものが難しくなったという影響も大きいようです。
正統派の現代美術の力という感じで良い。
ピーター・ドイグ展 東京国立近代美術館
— やまけー美術評 (@yamak_art) 2020年6月21日
大岩オスカールのような幻想的な感じがあるが
平面と立体の混在とかテクニカルな違和感がある
何かがおかしいのだが、シュルレアリスムでもなく
全体としては調和がとれている
現代美術好きなら観るべきことは確か pic.twitter.com/bIQ1mgQvPr
作品のない展示室 世田谷美術館
展覧会と言っていいのかは異論もあると思います。
でも展覧会とは何であるかを考える試みもまた展覧会なのだと。
合理的なホワイトキューブではない非合理さもまた重要なのかと。
yamak.hatenablog.com
和巧絶佳展 令和時代の超工芸 パナソニック汐留美術館
現代工芸といういわゆる美術館ではあまり注目されない分野に焦点を当てた企画力が良い。
汐留美術館はたまに渋い企画やるよなという印象。
和巧絶佳展 令和時代の超工芸
— やまけー美術評 (@yamak_art) 2020年7月26日
パナソニック汐留美術館
過去に現代工芸は少しは観ていたがレベルが違う
特に髙橋賢悟のこの作品の
立体としての解像度の高さというか
この世にこんな物体が存在できるのかというレベル
伝統とテクノロジーと現代彫刻の融合の極み pic.twitter.com/PWA0Bv2xDA
STARS展 現代美術のスターたち 森美術館
やはり村上隆の初期彫刻作品のグロさに向き合って欲しいですね。
アニメがそれなりに受け入れられた今でも、そこはあまり変わっていないというか。
1/3までなので唯一まだやってる展覧会です。
yamak.hatenablog.com
エキソニモ UN-DEAD-LINK 東京都写真美術館
Flash最後というこの年だからこそ。
Window95からもう四半世紀ですよ。そりゃ年も取るわ。
エキソニモ UN-DEAD-LINK 東京都写真美術館
— やまけー美術評 (@yamak_art) 2020年9月5日
インターネット老人会の皆さんは特に面白いと思う
インターネットによる匿名人物同士の
インタラクションによるアートの可能性は
2000年以前にもうやり尽くされたのだなあと
自分はこのマウスで祈る作品が好き pic.twitter.com/QPocyiMddF
大津絵 東京ステーションギャラリー
東京ステーションギャラリーの渋い企画の真骨頂。
絵自体の良し悪しよりも文化として面白い。
良くも悪くも絵の価値はコレクターが決めるんだなと。
大津絵 東京ステーションギャラリー
— やまけー美術評 (@yamak_art) 2020年9月22日
画題は禅画でも浮世絵でも漫画でもなく
売上によって集約されていったのが
この画題なのかというのは興味深い
象と天狗の鼻対決とか青面金剛とか
ここでしか見ない画題も多い
所有者に着目して展示する方法も
美術展らしくて面白い
桃山 東京国立博物館
東京国立博物館といえば混雑するのが当たり前。
コロナ後はかなり注意深くあまり大きな展覧会をしないようにしていた印象。
これだけの気合の入った展覧会を開けるようになったことが感慨深い。
桃山 東京国立博物館
— やまけー美術評 (@yamak_art) 2020年11月15日
唐獅子図屛風は思ったよりかなり大きい
この大きさあってこその迫力なのだと
永徳は墨絵の檜図屏風もすばらしい
狩野元信の四季花鳥図の色の鮮やかさも素晴らしい
泰西王侯騎馬図が海外でもあまり見ない構図で
こんな絵があったのかと思う
絵画に限っても見どころ満載であった