ごちうさは世界

ごちうさらしさ」とは「世界」ではないかと思うのですよ。

もちろんキャラが可愛いとかそういうのはありますよ。でも他のきらら作品と比べて「ごちうさらしさ」とは何だろうと考えたうえでの自分の考えです。

ごちうさの舞台の街というのはヨーロッパのどこかの木組みの街ですが、完全にここという現実の決め打ちの場所の設定はないようです。もちろんモデルになった場所はいくつかあるようですが。

面白いのは特定の場所にこだわらずに、ヨーロッパの各所に実際にある風物を取り入れているところです。まあ西洋人が日本を舞台にしているのに、中国や韓国のものが入っているのと変わらない。確かに現地の人が見たら違和感があるかもしれません。

ただそこに問題があるとは全く思っていなくて、むしろそういうものが組み合わさってできている世界こそがごちうさの良さだと思うんですよね。そしてその世界に統一感とリアリティを出すため、圧倒的な質感による書き込みが行われている。

それによって異世界であったり、現実の特定の場所を舞台にしてしまう方法ではありえない、現実の世界との多様なつながりを生むことができているのではないかと感じます。

各地の文化の断片に偶然触れたときに、ごちうさで見たと思ったり、ごちうさで出てくる知らない言葉を調べることから知らない文化を知ったり。

まあ日本の甘味処をその文脈に含めていいのかと言われると微妙な気もしないでもないですが。日本食ブームとかあるし..千夜ちゃん可愛いじゃないですか。


そんな遠回りした後にごちうさ3期に話を持っていきますが、ごちうさはその「世界」である一つの街を濃密に組み立てて、その中で関係性がはぐくまれる話でした。

彼女らの住む街以外に出る話はココアの実家くらいしかない。いわゆる水着回すら海ではなく、街のプールというくらいそこは徹底されています。

だからこそごちうさ3期の最後に「外の世界を見たい」というところに、ここまで長い間かかって到達するところに感動するのです。ごちうさはやはり「世界」の話なのだと思います。