- 作者: 臼杵陽
- 出版社/メーカー: 作品社
- 発売日: 2018/08/29
- メディア: 単行本
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タイトルからいつの時代を扱っているのかわかりにくいが、扱っているのは19世紀以降のみ。時代をわかりやすく言うなら「中東近現代史」と言ったところか。
中東の歴史は大雑把に「イスラーム以前」「イスラーム帝国時代」「オスマン帝国時代」「近代以降」に分けられるので、これは「近代以降」。イスラーム帝国とオスマン帝国は「興亡の世界史」シリーズにそれぞれ専門の巻があるのでそれを読むといいかと。
しかし時代を近代以降に限ったことでぐっと見通しが良くなった。日本の近代との対比や、高校の世界史教科書からの引用の検証などもあり、比較的読みやすい本だと思う。
自分の中では、自分が生まれてからの知っていたが、今一つ背景がよくわかっていなかった出来事。中東戦争、オイルショック、イラン革命、アフガニスタン侵攻、イラン-イラク戦争、湾岸戦争、イラク戦争、IS等が連続的につながったのが大きかった。
これまでいくつか中東関係の本は読んできたが、扱う範囲が狭すぎたり、むしろ広すぎたりして、今一つ良い具合で全体の流れをつかむことができなかった。それができたのは大きい。
やっと中東を知る入口に立てた感がある。