今更だがルルーシュの無印とR2を全50話観終わった。とにかく圧倒的な物語力。それに尽きる。
「良い物語」の基準はいろいろあると思う。登場人物に感情移入できるとか、テーマが社会的に鋭いとか、謎がよく考えらえれているとか。ルルーシュの凄いのは、大きな物語が全くぶれることなく、毎話必ず物語的仕掛けによる驚きを用意していることだと思う。
そしてなにより凄いのは、それが50話という長い期間にわたって維持できていることだと思う。もともと面白い原作があるとか、1クールくらいであれば維持できるかもしれない。
しかし50話となれば、普通はもうちょっと本筋とは違う物語を進めたり、1話完結の物語をつなげる方向にしたりする。ルルーシュにはそれがない。ストイックにルルーシュの野望の物語を進めていく。
もちろん途中でいわゆる「学園ギャグ回」はあったりする。ギャグも手抜きなしですごく面白いのだけど、それに加えて必ず本筋にからむ物語的な仕掛けが仕込んである。まあ大抵次回は悲劇になるのだけれど。
そして最後も非常に納得のいく終わり方であった。秀逸だと思ったのが、皇帝まわりの超展開の話を最後に持ってこなかったことだと思う。超展開は物語のカタルシスを得にくいのだ。
その後の話は主題としてはよくある話ではあったが、物語としてこうあるべきとしか言いようのない完璧な終わり方であった。
まあ細かいことを言えば、国際政治ネタがざっくりしすぎとか、中国の扱いはあれでいいのかとか、超展開がよくわからんとか不満はないわけではない。全体的に厨二ネトウヨ感が強い話ではある。
しかしそういう細かい不満点を帳消しにするくらい、毎回必ず驚きがあり、次回がどうなるのか気になる話であった。
ちなみにキャラはミレイ会長が好き。ナイスバディの年上生徒会長萌えって思っていたら、最後には失われた日常の象徴のような存在になっていた。婚約の話はマジで心折れた。まあ他にも心折る要素山盛りの物語ではあるが。
あとC2は最初全然ピンとこなかったけど、回を重ねるにつれてものすごく可愛く思えてきた。ルルーシュとの関係で一番好きなのはC2かもしれない。
ちなみにdアニメストアでロボット/メカアニメランキングの再生数トップは、ガンダム系を抜いてルルーシュだったりする。2006年ともう14年も前の作品なのに。
しかしそれだけの価値はある作品だと思う。