ふたりべや

ふたりべや最新刊まで読み直したんだけどやはり良い。でもふたりべやの良さって結構言語化しにくいと思っており、一度も書いたことなかったのですが、書いてみようかと思います。

以前この第5回 百合漫画総選挙という記事を読みました。
http://yurinavi.com/2021/11/01/yurimanga-sosenkyo-5-result/

日常部門のトップはふたりべやです。ふたりべやは確かに日常系の百合です。でもこの日常系部門の2位以下を見ると「あれなんか全然違うぞ」という感じになる。この違和感が"ふたりべや"らしさなんだと思うんですよね。

ふたりべやのメインは桜子とかすみなんですが、この二人の間にはドラマチックな恋愛もなければ、リアルなレズピアンカップルの生活感もないんですよ。

きんモザの忍とアリス、となりの吸血鬼さんの灯とソフィーに近い。お互いに好意があるけど恋愛的な意味ではない。

一方からの好きという気持ちが相手や周りが引き気味に過剰で、そこがギャグとして成立しているという構造です。自分はこういう関係性大好きです。

ふたりべやの面白いのは、この二人の関係は成長しても変わらない一方で、周りのカップルは変わっていくことだと思うんですよね。友達同士とは異なる恋人関係ということをタブーにはしない。

その意味で大学編のモカは衝撃的なキャラクターだったと思います。さらっと書かれてるけど男性とも女性とも寝てしまう。その上で小瑠璃を友達の関係から恋人に口説こうとする。

そういう周りの友人の関係を見た上で、桜子とかすみは今の関係こそが心地よいということを確認して自ら選択していく。そういう部分があるので、同じ関係でありながらも話がマンネリにならないのではと思っています。

そう思っていたら最新刊9巻の最後がちょっと思わせぶりでビックリしました。恋人関係を選ぶとしたら、それはもう最終巻になるのではと思っていたので。どうするんでしょうね。