またぞろ。

我々にとっての日常系は、ことちゃんにとっての猫のツネさんなのだと思う。

今日電車で広告を見ていたら、有名人の名言集っぽい自己啓発本の宣伝に「人間のプロになれ」というのがあった。本作のことちゃんは「人間が下手くそ」なのでまさにその真逆である。

「人間が下手くそ」であることはつらい。現実にはいじめにあったり、自殺してしまったり、大量無差別殺人を起こしてしまったりする。

日常系というのは「優しい世界」とよく言われる。またぞろもちょっと苦みはあるけど「人間が下手くそ」でもなんとかやっていける優しい世界だ。

ことちゃんが猫のツネさんに感謝する話がすごくいい。猫は生きているだけでかわいい。だから猫は人間の前では「猫が下手くそ」でも許される。

猫は現実の問題そのものを解決しない。それでもそういう「許される存在」そのものが「許されない自分自身」に対する精神的な救いになることもあるだろう。我々にとっての日常系はまさにそういうものなのだと思う。

実は自分も大学は1回留年している。海外に行くとかインターンをするといった前向きな理由では全くなく、単に勉強しなかったためである。親には悪かったと思っている。

その結果何か得られたのかというと「人間暇になっても特に何もしない」という全く無意味な教訓だけであった。

それでもまあ今のところ自殺したり大量無差別殺人を起こしたりしないでなんとかやっている。まあそんなものだ。