話をするのに酒はいらない

「大人が話をするなら酒を飲むのが当然」という文化も、アフターコロナの世界で考え直してみるべきではないでしょうか。

自分は酒をうまいと思ったことはありません。飲めないわけではない。ただ好んで飲みたいとは全く思わない。社会的に飲まないと空気が悪くなるので飲んでいるにすぎません。

これは「職場の人との飲み会は嫌だけど、友人とならいい」といったメンバの話ではありません。どんなメンバであっても酒そのものは別にうまくありません。会話が楽しいか楽しくないかは、飲み物の味とは無関係です。

酒に関して聞かれることは「飲める」「飲めない」の二択です。「飲めるけど好きではない」という選択肢はないのを常々不思議に思っていました。例えばコーヒーであれば「飲めるけど好きではない」という選択肢はあるのに。

そして自分は食事にもほとんど興味がないのです。もちろん毎日同じ食事でもいいというわけではないのですが、「特別においしいもの」の味がよくわからない。そのため「おいしい店に行く」や「おいしいものを自分で作る」ことはありません。

そういう自分にとってオンライン飲み会という形は、居酒屋に支払う無駄に高いお金が節約できるという意味で革命的でした。100円のハイボールと100円のつまみだけで参加すればよい。

コロナによって影響を受けた業種の筆頭が居酒屋でした。その業種の人が「なぜ我々だけが」と思うのは当然だと思います。また"居酒屋文化"を愛する多くの人が窮屈な思いをしたということは理解できます。

しかしコロナによって、話をするだけなら別に酒を飲む必要がないという点に気が付いたのもまた一面ではないでしょうか。仕事をするのに必ずしもオフィスに出社する必要がないと気が付いたのと同じです。

オンラインでもいいし、リアルならランチでも喫茶店でもいい。思考停止で居酒屋ではなくて、もっとメンバに合わせた多様な方法を検討してもいいのではないかと思います。