水星の魔女 12話

よくやったと思う。以下は12話までのネタバレを含むので注意。











「いつものガンダムの第1話を12話かけてやっただけ」という意見があって、それはその通りなのだけれど、それだからこそ水星の魔女は意味があった。

逆に言うとこれまでは「1話で一般人が人を殺すことに対する葛藤はもうやったから、あとは何やっても大丈夫だよね」という認識で作られていたとも言える。

自分もたいしてガンダムを観てるわけではないし、ファーストも最近になって劇場版をやっと通してみたくらいだ。自分にとってファーストで一番面白かったのはアムロが母親と会う話だった。そしてララァが出てからはつまらない話だなと思っていた。

アニメの企画自体は3年前くらいからは進んでいただろうから、現在の政治状況と重なったのは全くの偶然だとは思う。しかし近代国家同士では起こりえないと思われていた侵略戦争がリアルに行われている状況で、正義のための戦争であっても無批判に肯定するほうが異常だ。

まあそもそもガンダムでなくてもモビルスーツはどう考えてもこの世界で戦争兵器の扱いだったし、この学校での授業も戦闘を想定していただろとか、あんなもので決闘して、バンバン壊れているのに死人がこれまで出ないほうがおかしいだろとか、ガンドフォーマットの説明なさすぎとか、ツッコミはいくらでもある。

そういう多くのツッコミをわかったうえで、はいはいじゃあ皆さんの観たい「いつものガンダム」を見せてあげますよ、それはこういうやつですよねというフリで、この方向に入ったところがこの脚本の本当に凄いところだと思う。

第二クールは結局「いつものガンダム」になるのか、さらなるメタ展開になるのか。いずれにせよ第二クールも楽しみだ。