「いきのこれ! 社畜ちゃん」を既刊8巻まで読んだ。ブラック成分多めのITエンジニア日常系としてかなり面白かった。
自分はITエンジニアという仕事をかなり長くやっているのだが、ITエンジニアという仕事の日常系漫画で、ちゃんと商業で長期連載しているものは意外とないなと思っていた。
キラキラITベンチャーを舞台にした映画やドラマはあるがそれではない。古くからあるディルバートは日本の漫画とは違う。ぼくオタリーマンは全巻読んだけど結構前。NEW GAMEは面白いけど基本はゲーム業界のデザイナの話だ。
ITエンジニアの方が個人で書かれた漫画もWebではたくさんあるように思うのだが、ちゃんと商業レベルで連載が続くとなるとかなり限られる。
「いきのこれ! 社畜ちゃん」もそういう個人で描かれた漫画の一つだった。自分は3巻くらいが出た頃に一度読んで、その後読んでなかったのだが、気が付いたらもう8巻という長期連載になっていた。読んでみると確かに面白い。
この辺は完全に好みの問題なのだけれど、お仕事日常系で重要なのは、シリアスとギャグのバランスが取れていることだと思っている。そしてギャグがテンプレでなくてちゃんと笑えること。
社畜ちゃんも初期の頃はシリアス部分が重かった。そこがウリでもあるので難しいところでもあるのだけれど。後輩ちゃん、バイトちゃん、常駐さんの3人組ができたことで、バランスがうまく取れるようになったように思う。
またブラックな部分が単なる業界ネタではなくて、ちゃんとギャグとして成立しているのも重要。その点も毎回いい意味でひどいと思わせるようにできている。
ちなみに自分はSESも受託も炎上プロジェクトも経験あるが、社畜ちゃんほどひどい環境はほとんどなかった。少なくともこの業界は長時間勤務はあるが、残業代はちゃんと出るほうだと思う。もちろんそうでないところもあるだろうが。